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Immigration 101 先生教えて!移民法教室

移民法専門の弁護士ミチコ・ノーウイッキがハワイで暮らすお手伝い!!移民法についての気になるトピックスや最新情報をお届けします。

2017年 3月 6日更新

第41回 : トランプの議会演説 ~気になる移民制度改革についての表明~

去年の今頃は、まだトランプ大統領が選挙のキャンペーンを行っていましたが、当時、オバマ前大統領が「アメリカの賃金が上がらなかったのは移民のせいではない。アメリカはボストンからオースティン、シリコンバレーまで、あらゆる移民と実業家が、より良い未来を形作るために努力している国だ」というスピーチを行いました。

あれから一年、今のアメリカ大統領の移民法政策は、それとは大きく異なっています。2月28日には、一期目の大統領が行う上下両院合同議会での演説が開かれました。トランプ大統領は、幅広い移民制度政策について言及しましたが、選挙キャンペーン中や大統領就任直後の移民政策に関する表明と比べ、比較的落ち着いた内容でした。

メキシコとの国境について

トランプ大統領は、現状は誰でもアメリカとメキシコとの国境を越えることができ、今までにない速さでドラッグがアメリカへ流れ込んできている、と言明しました。さらに「それを防ぐために、すぐに国境に沿って大きな壁の建設を始めるでしょう。予定しているスケジュールよりも早く開始され、完了したときにはドラッグや犯罪に対して非常に効果的な武器になります」とも付け加えています。

しかし、国境にはすでに壁があり、また国境パトロールも常時しているため、それほど自由に誰もが行き来できるということはありません。実際には、アメリカの経済が近年低迷していることもあり、メキシコからの移民は、2009年から2014年にかけて減少しています。また、不法移民がどれほどアメリカの薬物問題に関与しているか明確なデータはありませんが、トランプ大統領就任後に、一斉に不法移民が国外追放されており、そのうち約75人に犯罪歴があったとされています。ただし、どのような犯罪だったのか、また彼らを国外追放することにより、地域にどのような影響をもたらしたのかは、定かではありません。

また今回の演説では、キャンペーン当時から表明している、メキシコの費用負担については言及はありませんでした。

アメリカの国民の保護

トランプ大統領は、アメリカの国民を失業や低所得から守ると表明しています。そして、アメリカの労働者を保護することは、移民制度改革を意味する、と述べています。さらに、9月11日のテロ事件以降、テロ活動で逮捕された人の大半は国外から来た者だと述べ、それによりアメリカの国民の安全が移民により脅かされていると暗示しました。

しかし、シンクタンク「ニューアメリカ財団」の調査によると、テロ事件以降にアメリカでジハードに触発されたテロ活動をしているとして逮捕された約400人のうち、半分(197人)はアメリカ生まれの市民、88人が帰化した市民、44人が永住権保持者でした。

カナダやオーストラリアのメリットシステム導入

トランプ大統領は「現在の移民システムによって、貧しい労働者の賃金を押し下げ、納税者に大きな圧力をかけている」ため、低熟練移民を中心とする制度から、経済的に自立できる移民を受け入れるシステムへの変更を述べました。これに伴い、カナダやオーストラリアのように「メリットベースの移民制度」を導入すべきとしています。これは、ある国に移民する者は経済的に自立していなければならないという基本原則です。しかし、トランプ大統領は「アメリカではこのルールを強制せず、私たちの最も貧しい市民が頼りにしている公共の資源を圧迫しており、国立科学アカデミーによると、現在の移民制度により、アメリカの納税者が年間何十億ドルも支払うことになっている」と指摘しています。

くだんの国立科学アカデミーの調査によると、確かに、第一世代の移民によりコストが多くかかるとされています。これは、移民の子どものための教育費用で、主に、州および地方自治体に毎年570億ドルほどのコストがかかっていると推定されています。しかし移民の第二世代になると、政府に対して、年間約300億ドルの利益を生み出しています。そして第三世代になると、正味利益は2,230億ドルにもなります。つまり高技術を持つ移民は、アメリカにとって良い効果をもたらすと言えるでしょう。ある研究によれば「アメリカの長期的経済成長の見通しは、高度熟練移民の存在がなければ、だいぶ減る」ようです。

メリットベースの移民システムは、家族関係をもとにした移民申請ではなく、移民のスキルや雇用の可能性を重視する移民制度です。この制度については、農業や厨房労働者のような職業に就いている教育を受けていない移民を閉鎖することで、アメリカの税制に悪影響をおよぼす恐れがある、とする共和党員の懐疑的な見方も存在します。頭脳明晰な熟練した移民を受け入れることは、もちろん素晴らしいことですが、経済全体を考えるとそれほど単純なことではありません。さらに、高度熟練者のみを選ぶことにより、特定の国籍や民族を除外することにつながる恐れもあります。

イスラム圏からの移民制限

連邦地方裁判所により違憲と判断され、一時差し止めとなった、イスラム圏7か国からの移民を拒否する大統領令については、明確に言及はされませんでしたが「近いうちにアメリカの安全を守る新たな措置を講じる」と述べ、新たな大統領令の発令が予想されます。

近いうちに発令されると言われている新たな大統領令では、前回の一時入国禁止令の対象となった7か国のうち(イラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン、イラク)、イラクをリストから除外する可能性が高いと言われています。これは、イスラム国(IS)掃討活動において、イラクがアメリカ軍へ協力していることもあり、国防総省と国務省がホワイトハウスへ要請したとされています。また、修正後の大統領令では、禁止令の対象国出身のグリーンカード保持者や有効なビザを保持する者は、通常の入国審査で入国が認められる見通しです。

今回のトランプ大統領の演説では、具体的な政策案や詳細は言及されなかったものの、世論の反応は比較的肯定的です。CNNと調査会社ORの調査によると、視聴者の67%がアメリカの将来についてポジティブな見通しを抱いたと回答しています。

お断り : 本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者様への情報提供を目的としたものです。特定事実における法的アドバイスが必要な方は、専門家にご相談ください。

2017年 3月 6日更新

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Lead AttorneyMichiko Grace Nowicki(アイナ法律事務所)

アイナ法律事務所 ('Aina Law Office) のミチコ・グレース・ノーウィッキはハワイ州の弁護士。現在ハワイ州で数少ない日英バイリンガル弁護士として移民法を専門として事務所を構え活躍中。

アラバマ州の高校卒業後ハワイに移り、その後仕事の為15年間日本に在住。1997年再びハワイに戻り、現在移民法専門の弁護士として企業から個人のあらゆるケースに対応、そして家庭内暴力の被害者の弁護人としても強い地位を固めつつ日々奮闘中。

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