ハワイで暮らすなら知っておきたい!アメリカの税金の基礎知識

このコラムでは、ハワイでビジネスをするために欠かせない法人・個人対象の米国税務や会計について、できるだけ分かりやすく解説します。ハワイ進出、さらに米国本土進出を目指す日系企業やアメリカに住む皆様に、東京、ハワイ、西海岸、東海岸とネットワークを持つ米国公認会計士事務所として、お役に立てればと思います。

2017年 2月 15日更新

第12回 : 2017年確定申告最新情報

今回は、ハワイで暮らす皆様が、2017年に行う確定申告の際に、特に影響があると思われる重要なポイントについて触れたいと思います。

1. 米国外金融資産の開示申告書の期限変更 (6月30日→4月15日)

米国税務上、居住者として扱われる方で、米国外に金融資産の年間最大残高がトータルで1万ドルを越える方が申告をしなければならないが、例年期限は6月30日だったものが、2017年からは、個人の確定申告と同じ期日である4月15日(2017年は、休日の関係で期限は4月18日)と変更された。しかしながら、6カ月間の自動延長が認められ、かつ延長申請の手続きも必要がないため、2017年の期限は10月16日となる。

(要注意)米国外金融資産開示義務(FBAR:Report of Foreign Bank Account)の違反のペナルティについては大変厳しくなっているため、必ず申告を行う必要があります。意図的な違反の場合には、残高の50%のペナルティだけでなく、刑法上の罰則をも課される可能性があります。Form 1040 Schedule A下段のYes/Noの質問に、No として申告していたがために、意図的な違反とされてしまったケース(United states v. Williams)もありますので、確定申告の際には注意が必要です。

2. パートナーシップ申告書(Form 1065)の期限変更 (1カ月早くなる)

LLCの法人形態でビジネスをしているハワイの皆様に、特に注意が必要となるのですが、2人以上のメンバー(オーナー)で運営している、C-Corporationの選択をしていないLLCの場合は、法人の確定申告としてパートナーシップ申告書(Form 1065)を提出します。こちらの期限が従来の決算月から4番目の月の15日(例:12月決算の場合は4月15日)であったものが、3番目の月の15日に変更がされました。12月決算の場合には、期限が4月15日ではなく3月15日となります。遅延ペナルティは、195ドル/月/パートナーとなりますので、申告書の提出が間に合わない場合には、必ず延長申請を提出しましょう。

ペナルティの例: メンバー3人のLLCがパートナーシップ申告書(Form 1065)の提出を2カ月遅延した場合、ペナルティは、195ドル × 2カ月 × 3人 = 1170ドル となります。

3. その他、違反のペナルティが大きい申告フォーム 
A. Form 8938, Statement of Specified Foreign Financial Assets (FACTA)
2011年の申告書から適用されたフォームで、FBARと同じく米国外金融資産を報告するのですが、こちらは確定申告書に添付が必要となります。Form 8938 を申告書の期限(延長を含む)までに提出しない場合、そのペナルティは最大5万ドルとなっており、刑法上の罰則にも発展する可能性もあります。2016年の申告からは、個人申告のみならず、一部の法人にも適用されるようになったため、海外口座を持っている法人の場合には必ず確認が必要となります。
B. Form 5471
米国外の会社の株式を10%以上持つ場合、Form 5471を確定申告書に添付し、その会社の情報を開示しなければならない場合があります。この報告を申告書の期限(延長申請を含む)までに提出しない場合、そのペナルティは1万ドル/件 となっています。
C. Form 8621
米国外のMutual Fund (投資信託)に投資している場合などで、投資先がPFIC (Passive Foreign Investment Company)に該当するときは、Form 8621を確定申告書に添付し、当該投資を報告する必要があります。金額的なPenalty はないが、例え小額な投資であっても未報告がある場合は、確定申告書全体の時効が成立しなくなる点に注意が必要です。
D. Form 3520
米国非居住者から一定額以上の財産の贈与、相続を受けた場合、Form 3520 にて報告義務が生じます。この報告を所得税又は相続税の申告期限(延長を含む)までに確定申告書とは別に指定されたIRSセンターに提出しない場合、そのペナルティは1万ドルまたは、贈与、相続額の5% のいずれか大きい方等となっているいます。
E. Form 926
米国外の企業に出資(現金出資、現物出資含む)や資産の移転を行った場合、Form 926 を確定申告書に添付して提出する必要がある。外国法人への出資につき、Form 926を用いて報告しなかった場合には、出資額(もしくは現物出資された資産の市場価格)の最大10%がペナルティーとして科せられます。
まとめ

以上のような税務上のトラップに引っかからないようにすることが、ハワイでビジネスをする上で非常に重要になります。少しでもやばいと思ったら専門家に確認することをお勧めいたします。税務会計面での対策をしっかりと行いましょう。

2017年 2月 15日更新

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Columnist's Profile

Partner若菜雅幸 (WAKANA, MASAYUKI)(Nagano Morita LLP)

名古屋工業大学工学部卒業、GE横河メディカルシステム(現GE Healthcare)を経て、2001年に渡米。メリーランド州のローカル会計事務所、永野森田米国公認会計士事務所ロサンゼルスオフィス、同オレンジカウンティオフィス、東京オフィスを経て、2012年よりハワイオフィス勤務、現在同事務所パートナー。ハワイ州、カリフォルニア州、バージニア州公認会計士 (HI, CA, VA CPA)米国税理士(Enrolled Agent)

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