音楽を聴きに行くレストラン、という贅沢をワイキキで。アウトリガー・リーフの「カニ・カ・ピラ・グリル」 

ハワイ語で「さあ、音楽を奏でよう」という意味の言葉、カニ・カ・ピラ。その名を冠し、ワイキキのアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートに佇むこのレストランには、伝説のミュージシャンが込めた想いと、18年間絶えることなく続くライブ演奏があります。プールサイドの開放的な空間で、本物のハワイアンミュージックと島の食材が香る料理を同時に楽しめる、ここにしかない体験をどうぞ。

「カニ・カ・ピラ」に込められた、ハワイの音楽文化とは

ゆったりリゾート気分を味わえる、ホテルのプールサイド

アウトリガー・リーフのプールサイドエリアにある「カニ・カ・ピラ・グリル」。カニ・カ・ピラ(kanikapila)という言葉は、もともとハワイに古くから伝わる文化そのものを表す言葉です。各自が楽器を持ち寄り、仲間や家族と集まって即興で音楽を奏でる。特別なステージではなく、庭先やビーチで自然に生まれる、ハワイの人たちの日常の楽しみを表すハワイ語なのです。

食事をしながら本格的なハワイアンミュージックを

このレストランに「カニ・カ・ピラ」という名前を贈ったのは、スラックキーギターのレジェンド奏者として知られる故シリル・パヒヌイ氏でした。パヒヌイ家といえば、ハワイアンミュージックの世界では知らない人がいないほどの一族。シリル氏は、ここを単なるレストランではなく、ハワイの音楽文化への敬意を込めた場所として、こう名付けたのだそうです。

ステージにはシリル・パヒヌイ氏のサインも

ステージをよく見ると、正面のプレートに「The Cyril Pahinui Stage」と書かれています。派手な装飾ではありません。けれどその一枚が、この場所が何を大切にしているかを、静かに物語っているようですよね。

18年間、ハワイアン音楽と文化を守り続けてきた場所

オープンエアの開放的な雰囲気が、ハワイらしくて心地よい

カニ・カ・ピラ・グリルがオープンしたのは2008年。それ以来、ライブミュージックを提供し続け、18年間で延べ約260万人のゲストを迎えてきました。つい先日、5月8日には18周年記念イベントが開催されたばかり。ワイキキを代表するライブミュージックの聖地として、地元の人々にも旅行者にも愛され続けています。

ハワイで愛され続けるレジェンド、「アンティ・ルアナ」こと、ルアナ・メイトランドさん。

その文化を守り続けてきた中心人物が、アウトリガーのカルチャー・エクスペリエンス・エリアディレクターであるルアナ・メイトランドさん、通称「アンティ・ルアナ」です。2001年からアウトリガーに在籍し、音楽だけでなくフラやレイ作り、ストーリーテリングなど、ハワイの文化体験全体を丁寧に紡いできた方です。

現在も、ホテルゲストに向けて様々なワークショップを開催されているアンティ。ホテルを訪れる人に「本物のハワイを体験してほしい」という思いにあふれる素敵な女性なんです。

毎年開催される「タレント・サーチ・コンペティション」では、次世代を担うハワイアンミュージシャンの発掘と育成にも力を入れているとのこと。こうして守られてきたステージは、ハワイの音楽史を未来につないでいく大切な役割も担っているんですね。

ショーン・ナアウアオの歌声とともに過ごした月曜の夜

取材に訪れたのは月曜日の夜。ステージに登場したのは、ショーン・ナアウアオさんでした。

月曜のステージで演奏するのは、ショーン・ナアウアオ氏

彼は、カニ・カ・ピラ・グリルを代表するアーティストのひとり。ハワイのグラミー賞とも呼ばれる「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」で、最優秀男性ボーカリスト賞などを受賞する実力派。柔らかくて温かく、芯のあるその歌声は、ワイキキの夜の空気にすっと溶け込んでいくようでした。

バーテンダーが目の前で作る、多彩なカクテルも魅力

プールサイドから続くオープンエアの空間では、心地よい風がハワイにいることを実感させてくれます。演奏は夕方6時からスタート。夏の時期はまだ明るいのですが、徐々に暗くなるにつれて柔らかな照明が灯り、お洒落な雰囲気が漂います。

バーカウンターもあり、旅行者はもちろん、仕事を終えたローカルがふらりと立ち寄ってくつろぐ姿も見られます。

やさしい歌声を聞きながら、シグネチャーなマイタイを

トロピカルカクテルを片手に、ギターを爪弾くショーンさんの姿を間近に見られるなんて、本当に贅沢な時間。カニカピラグリルが18年間変わらず届けようとしてきたのは、まさにこういう瞬間なんでしょうね。

カニ・カ・ピラ・グリルは「音楽をBGMとして流しているレストラン」とは、少し違います。ここでは音楽が主役のひとつなんですよね。食事をしながら演奏を聴くもよし、演奏を聴きながら食事を楽しむもよし……。そのどちらとも言えるような、特別な時間が流れていました。

ハワイ食材を生かした料理とカクテルも本格的

音楽が主役の一つ、と言いましたが、もちろんお料理やカクテルも間違いない主役級。この日いただいたのは、カクテル3種と料理4皿。素材や調理スタイルにもハワイらしさがあふれるものばかりで、仲間や家族で美味しさを分け合える幸せに浸れます。

トロピカルな雰囲気を演出するカクテル、コロヘ・マイタイ(左)とコーラル・リーフ(右)

まずは、カクテルで乾杯!目にも鮮やかなドリンクは、コロヘ・マイタイとコーラル・リーフです。「コロへ(いたずらっ子)」と名付けられたマイタイは、カウアイ島産のコロア・ラムをベースにした一杯。ハワイ産のオーシャン・オーガニック・ウォッカを使ったコーラル・リーフはフルーティーな味わいが魅力です。

ラバフローはストロベリーやマンゴーなどもラインナップ。写真はヴァージン・ウベ・ラバフロー

そして、ノンアルコールでオーダーしたのがウベ・ラバフロー。美しいパープルカラーにオーキッドの花が素敵!モクテルのリクエストにも気持ちよく応じてくれるので、お酒の弱い人も楽しめる。ありがたい限りです。

ボリュームたっぷり!新鮮なマグロとアボカドがたまらない、アヒ・ポケ・ナチョス

みんなでワイワイつまみたいアペタイザーもオーダー必須!いつも頼むのが、アヒ・ポケ・ナチョスです。ローカル産のアヒ(まぐろ)をポケソースで和え、クリスピーなワンタンチップスの上にたっぷりと乗せていただく一皿は、ちょっと濃い目の味付けがおつまみにぴったり。ボリュームもたっぷりなんですよね。

レモンとディップソースが味を引き立てる、クリスピーなガーリック・シュリンプ

もうひとつ、ハワイらしい一品が、クリスピー・ガーリック・シュリンプ。大きめのシュリンプがぷりぷりで食べ応えあり。ハワイに来たら、ガーリック・シュリンプは欠かせないという方も多いのでは?少しスパイシーなディップソースも絶妙です。

その日のシェフのおすすめを調理してくれる、マックナッツ・クラステッド・フレッシュキャッチ。リゾットも上品な味わい

アントレも豊富。マックナッツ・クラステッド・フレッシュキャッチは、「本日のお魚」スタイル。この日は「タチウオ」で、マカダミアナッツのクラストがいい感じに香るグリルでした。旬な味を楽しめるのが魅力なので、どんなお魚が用意されているかチェックしてみてくださいね。

やっぱりしっかりお肉料理を!という方におすすめな、ブレイズド・ビーフ・ショートリブ&トリュフド・マッシュポテト

どどーんと存在感を放ったのは、ブレイズド・ビーフ・ショートリブ&トリュフド・マッシュポテト。じっくり煮込まれたビーフはほろほろとほぐれる柔らかさがたまりません。トリュフが香るマッシュポテトと一緒に、豪快にいただきました。

こんなお料理と本格的なハワイアンミュージックを一度に味わえるとは……。もう、本当に大満足な夜でした。

ハワイを五感で感じるディナー、滞在中に一度は体験したい

ワイキキビーチに面する、ラグジュアリーなビーチフロントホテルはエントランスもお洒落

場所は、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートのプールサイド。オン・ザ・ビーチのリゾートホテルなので、少し早めに行って美しいビーチを写真に収めるのも素敵です。

暗くなるとトーチにも日が灯りロマンチックな雰囲気に。特別な夜を楽しんで

レストランは、ホテルゲスト以外も利用可能。ただし人気なので、OpenTableからオンラインで事前予約をお忘れなく。その日のアーティスト名も、公式ウェブサイトでチェックできます。ライブは毎晩午後6時にスタートするので、演奏が始まる少し前に行って席を確保しておくのがおすすめです。

カジュアルに入れるレストランですが、せっかくなら少しだけお洒落をして出かけてみては。ハワイアンミュージックの流れる夜、それだけで気分がぐっと上がります。もちろん、お子様連れにもぴったりですよ。

ワイキキに来たら、一度は訪れてほしい場所です。音楽と食事が溶け合う、ここにしかない時間を、ぜひあなたの旅の想い出に加えてみてくださいね。

ABOUT WRITER
Ritsuko Matsumoto

ハワイ在住ライター&エディター。㈱リクルートでの広告制作などを経験後、2000年にハワイへ移住。ハワイ情報誌アロハストリートの編集長を経て独立、旬なハワイ情報を旅行雑誌やウエブサイトに寄稿。趣味はカフェ巡り。