PJ Honolulu LLCの親会社にあたる日本のPJ パートナーズは、海外と日本で暮らしてきた高橋世輝氏が、日本の飲食の「国際化」が遅れていると実感し、「飲食の国際化」を理念に立ち上げました。
日本では、オーストラリア料理店「アロッサ」、ポルトガル料理店「マヌエル」、さらにブラジル料理「トゥッカーノ」を手がけて大成功。いずれももともと日本で馴染みのない料理を広め、理念通り日本の飲食の国際化の一翼を担ってきました。
ワイキキショッピングプラザ地下に日本、中国、台湾、韓国、シンガポールから全17店舗集結したアジアンフードホール「STIX ASIA」が2月に盛大にオープンしました。そこになんと4店舗同時オープンを果たしたのがPJ Partners Group。今回ハワイ出店の経由や今後の展望などを総務部マネージャー真鍋英樹さんにお話しを伺いました。
PJ Honolulu LLCの親会社にあたる日本のPJ パートナーズは、海外と日本で暮らしてきた高橋世輝氏が、日本の飲食の「国際化」が遅れていると実感し、「飲食の国際化」を理念に立ち上げました。
日本では、オーストラリア料理店「アロッサ」、ポルトガル料理店「マヌエル」、さらにブラジル料理「トゥッカーノ」を手がけて大成功。いずれももともと日本で馴染みのない料理を広め、理念通り日本の飲食の国際化の一翼を担ってきました。
現在の社名のPJ パートナーズは、創業当時の正式名称はPort Japan Partnersだったそうで、「港」をつないで海外の美味しいものを日本へ!をモットーにして動き、それが今度は「港」をつないで日本の美味しいものを世界へと発展していきます。ハワイ在住の方はご存知、ワイキキビーチウォークにある「とんかつ銀座梅林」は、PJ Partners Groupがてがけた海外第一号店。2021年には隣りに姉妹店「洋食ビストロ銀座梅林」をオープンさせ、パンデミック中で日本の観光客がほとんどいない中、米本土や海外からの観光客の間で大人気となっています。「日本の洋食」という海外の人からみたら珍しいジャンルの料理を見事に浸透させています。
果敢な挑戦は続き、今年2月にワイキキショッピングプラザ地下にオープンしたアジア料理のフードホール「STIX ASIA」になんと同時4店舗オープン。まず、前ワイキキ横丁時代に開いたオーガニックおむすび店「Nana Musubi」と宇治抹茶や日本茶専門の和カフェ「Nana’s Green Tea」が無事営業再開を果たし、それだけでなくNana’s Green Teaの隣りには同店系列のジェラート店「ao gelato」も併せてオープン。
さらに今回「天ぷら 喜々」、「ラーメン暁月」の2店舗のハワイ進出を果たしたのです。
これらの事業を任されている真鍋さんも、アメリカ本土生活が長く、2015年に一旦日本に戻りますが、昨年末ハワイ勤務になるまでの7年の間に日本の食のレベルの高さを再発見。アメリカの和食事情もよく知っているだけに、日本の「本物」を世界に広めたいと情熱を燃やしています。
「日本には、特に田舎ほど職人さんも多く高品質なものを作っている人がたくさんいます。ただ、そういった方々は、自分の商品をどう広げたらいいかわからないという悩みを抱えている場合が多いのです。だから、その広めるお手伝いを弊社がやっていきたいと思っているんです」と語ります。
厳選した食材のみを特製の衣で包み、丁寧にあげた天ぷらをを提供する「天ぷら 喜々」は、日本では福岡・名古屋・横浜で店舗展開している店。今回ハワイ店オープンにあたり、この店で食事して楽しかった、うれしかった、と喜びを重ねてもらおうと店名を「喜々」とし、またワイキキの“キキ”もかけて地元密着を志しています。
そして、「ラーメン暁月」に関しては、ハワイ発祥の豚骨ラーメン店になります。製麺機も揃え自家製麺な上に、和洋中のスープ技法を駆使して作るクリア豚骨ラーメンです。
どの店も、日本とハワイでは食の流通の違いなど様々な困難がある中、「美味しいものを食べせたい!」という熱い想いをもって挑んでいるのをひしひしと感じます。
なぜ海外進出の第一歩にハワイを選んだのかと真鍋さんに尋ねると、「ハワイから発信できることはいっぱいあるんです。まずこれら日本の良いものを知ってもらうアンテナショップの役割を果たすのにハワイは最適なんです」と言います。その良い例として、Nana’s Green Teaは、米本土からハワイに観光に来た方が偶然知り美味しさに感動し、HPをみて本社に「自分の住んでいるところでも開きたい」と問い合わせが多数あるとのこと。そうした現象が今後も起きていく可能性が無限にあるのがハワイなのだと語ってくれました。
また、真鍋さん自身カリフォルニアに住んでいた時、フィリピンやベトナムからの移民の方々が日本食にとても興味があり、「お店を開きたいけれどもどうやって開いたらいいかわからない」という悩みをたくさん聞いてきたと言います。今後はそうした人たちにもチャンスが広げられるように展開できることを望んでおり、その足がかりとして、まずハワイで今オープンした店を認知してもらうことを目標としています。
パンデミックを経て、日本からの観光客がまだまだ少ない中、逆に米本土や他の国からの観光客が増えて、これも日本の美味しいものを世界の人たちに知ってもらえる好機でもあり、また、地元ハワイの人たちにとってはどこよりも先に美味しいものに触れられ最幸(幸運の最上級)と言えるのではないでしょうか。
最後につっこんだ質問で、これらの店のシェフたちは日本にいずれ帰国してしまわないかを尋ねてみると、きちんとビザを取得しており、ハワイに残るという回答を頂きました。ハワイの日本食店でよくあるのが、開店当時は日本からのシェフが来ていて美味しいが、シェフたちが日本に帰国してしまうと一気に味が落ちるという現象。こちらは真鍋さんが住んでいたアメリカ本土でも全く同じだったそうで、日本の名店と言われる店でも、結局長続きせず閉店してしまっていたのをたくさんみてきたので、そうならないためにも、日本人シェフを常駐させるとのこと。とは言え、日本と全く同じものをハワイでやってもダメなのもわかっているので、まずは地元の人たちにも受け入れてもらえるようハワイの人たちの好みを知り、それにあわせたものにしていくと語られました。ハワイで長く愛される日本の本物を提供する店を目指して快進撃はすすみます。