びびなび : ハワイ : (アメリカ合衆国) Hawaii

オアフ島の中心、ホノルル港にあるアロハタワーに皆さんは行ったことがありますか？アロハタワーは、かつて太平洋を行き交う船乗りたちにとって「アロハ」のメッセージを伝える重要な存在でした。こちらの記事では、ハワイの歴史と文化を象徴するランドマーク的なアロハタワーについてご紹介します。

アロハタワーが完成したのは1926年。まだハワイがアメリカの準州だった時代で、ロイヤルハワイアンホテルがオープンした年の一年前になります。因みに、ハワイがアメリカの50番目の州になったのは1959年です。ハワイは当時、太平洋を横断する貿易や旅客船の重要な寄港地であり、その玄関口がホノルル港でした。アロハタワーはホノルルの街を飾る象徴的な存在として建設され、ホノルル港に到着する船や人々を暖かく迎えてきました。また、灯台、管制塔としての役目も果たしていました。

1941年、アロハタワーは大きな転機を迎えます。日本軍による真珠湾攻撃があってから、ハワイがアメリカの重要な軍事拠点となったからです。アメリカ軍の下、一般の立ち入りは制限され、灯台の光は消されました。また、白かった建物は目立たないように迷彩色に塗り替えられました。アロハタワーは、太平洋でのアメリカ軍の船団を管理するための指令センターとなり、厳重な警備が敷かれたのでした。

戦後になってから、迷彩色はサンドブラストで取り除かれ、建物は再び民間の管理に戻されました。そして再びホノルル港に到着する船を出迎えるランドマークとしての役割を取り戻したのです。1994年にはアロハタワーマーケットプレイスが開業し、レストランやショップ、イベントスペースなどを含む観光地として人気を集めました。現在は、残念ながらホノルル港が一望できる展望台は閉まっており、訪れる観光客は以前よりは減少しましたが、敷地内にあるピア２には豪華客船が頻繁に寄港し、ピア８はサンセットクルーズで人気の観光船、スター・オブ・ホノルル号の発着ポイントとなっています。また、ハワイ・パシフィック大学の施設も併設されており、平日は学生で賑わっています。

アロハタワーは、サンフランシスコの建築家、Arthur L. Reynolds氏の設計で、後期ゴシック様式の特徴を持ったアールデコ様式がとり入れられています。もっとも特徴的なのは、その直線的なフォルムと対称性のあるデザインを施した白い外壁、そして四面に飾られた大きな時計です。シンプルで洗練された美しさがあり、ホノルルのランドマークとして相応しい港や街との調和も考慮したてデザインです。

高さ184フィート（約55メートル）のタワーは、当時のハワイでは最も高い建築物でした。タワーの上部に掲げられている「ALOHA」の文字は、訪れる人々を歓迎する意味を持ち、ハワイのホスピタリティ精神を象徴しています。これは単なる装飾ではなく、太平洋を航行している船の乗客に強い印象を与え、ホノルルに到着する際にその歓迎のメッセージを視覚的に伝える役割を果たしました。

ハワイ・パシフィック大学のキャンパスの一部となっているアロハタワーマーケットプレイス内には、一般の商業施設もいくつか入っています。この中で寄ってみてほしいお店をいくつかご紹介しましょう。

ハワイにある私立大学の一つ、ハワイ・パシフィック大学（Hawaii Pacific University、通称HPU）のロゴ入りグッズが買えるお店です。マーケットプレイスの中央入り口横にあります。Tシャツや帽子などのアパレルのほか、マグカップ、ウォーターボトル、タオル、ステッカーなどもあるので、お土産を探してみるのもおもしろいですよ。

HPUの生徒やローカルの人にも評判のカフェ。コーヒー、フレーバーティー、ラテのほか、スムージーやサンドイッチなどの軽食も提供しています。特に人気なのは抹茶ラテで、Lavender Matcha、Strawberry Matcha、Mac Nuts Matchaなど、様々なフレーバーがあります。お店の前のアトリウムスペースは、心地よい休憩時間にぴったり。

俳優のアーノルド・シュワルツネガーさんがカリフォルニア州のサンタモニカに1970年代にオープンしたレストラン、Patrick’s Roadhouseのハワイ店。地元の食材をメインにした朝食やブランチが食べられます。ホノルル港を一望できるテラスエリアでの食事は、気分爽快ですよ。

ハワイの歴史や文化を今に伝える重要なランドマークのアロハタワー。ビーチとは違った雰囲気の海が望め、清々しい開放感が味わえます。ダウンタウンやチャイナタウンの観光の際にぜひ立ち寄ってみてください。