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2023年5月1日より開始したリトル・プルメリア・ファームツアー。ジム・リトルさんが50年にわたり栽培し、新しい品種を数々誕生させてきた農園は、オアフ島ノースショア ハレイワの高台に位置します。20エーカー（東京ドーム1.7個分）もの広大な土地に4,000本以上のプルメリアの木が並ぶこの場所がついに解禁となりました。

オアフ島ノースショアに住むジム・リトルさんは、趣味が高じて1973年にジム・リトルナーズリー＆ファーム開きました。既存のプルメリアの栽培だけでなく、プルメリアの交配をさせてたくさんの新種を誕生させおり、その卓越した高品質なプルメリアの評判は瞬く間に広がりました。

幸運にも２０エーカー（東京ドーム1.7個分）の広大な土地をカメハメハ財団から長期リース契約ができ、そこでジムさんはプルメリア栽培に心血を注ぐ日々となったのです。

半世紀をかけてこの土地に、ジム・リトルさんオリジナルの品種100種類以上、さらに園芸用の種類150種類以上、合計4,000本以上のプルメリアの木が揃うまでになりました。

今までは米国内外の花愛好家や庭園愛好家に向けたプルメリアの販売、つまりサプライヤーとして事業を展開しており、ファームは一般公開されていなかったのですが、この50周年という節目を迎えるのに当たり、遂にファームツアーを開始。

この日を首を長くして待っていたファンは多く、今、このニュースに喜びと興奮の声で湧き上がっています。

ジムさんの息子クラーク・リトルさんは、有名なショアブレークの波の写真家でもあり、ハレイワにギャラリーを構えています。そのクラークさんと彼の息子、つまりジムさんの孫にあたるデインさんがこのツアー主宰者。親子三代にわたるリトル家が、なぜ今まで一般公開していなかった農園を公開にふみきったのか。

それは、米本土の大学を卒業してハワイに戻ってきたデインさんが、何か新しいことに挑戦したいと思い、祖父の手伝いを始めました。そして、プルメリアの種をeBayで販売し始めたのです。それから、彼は祖父からプルメリアの栽培や交配の方法を学びます。息子がビジネスに興味を持っていることに気づいたクラークさんも加わり、「間もなく父親がプルメリア栽培をはじめて50周年を迎えるし、それを節目にみなさんに披露してもいいんじゃないか」と話し合い、ファームツアーを開始することを決断。

それから２年間かけて準備をしてきました。この準備も容易なものではなく、農場内の外来種植物の除去、舗装道路や自動灌漑システムの設置、ガゼボやエアコン完備のギフトショップなどを含む大掛かりなプロジェクトでした。ツアー参加者たちが安全にプルメリアの木の間を歩けるように自分たちでチェーンソーで木の枝を切ったりとツアー開始直前まで準備してきました。

裏を返すと、今までは水道もなければトイレもなく、しかも、高台にあるファームは太陽の日差しを遮るものが何もない中、ジムさんは50年もの間作業をしてきたのです。雨が降ると家に一旦帰宅し、雨が止むのを待ってからまたファームに戻ったと言います。

こうして2023年5月1日、ハワイではLEI DAYにあたる日に無事ツアーをスタート。観光客だけでなくハワイ在住者もこのツアーの情報を耳にし、開始早々毎回のグループツアーはほぼ満員と大人気ツアーになっています。

ここからツアー用のバンに乗り込み、ファームへと向かいます。

ファームに到着後まず、プルメリアの種を見せるところから始まり、どのようにプルメリアを栽培していくかを順を追って説明してくれます。

続いて、園内を歩きながら、デインさんがプルメリアの花を摘み、その種類や特徴などを紹介。

あっという間に両手で持ちきれないほどの多種類のプルメリアに触れることができます。ハワイでは道端のあちこちにプルメリアが咲いていますが、色も形も臭いもここまで違いがあると気づかずにみていることがほとんどです。　ここに来ると、その違いがわかるだけでなく、ジム・リトルさんが生み出したレアな品種がたくさん見ることができます。

そして、最後には紙袋が配布され、好きなだけプルメリアを摘むことができ、それをお土産として持ち帰れます。また、ギフトショップでの買い物も可能です。ショップ内には、ジム・リトルブランドのプルメリアの苗木やハイビスカスの種、他にもキャップ、Tシャツ、折り畳みエコバックなどもあります。

リトル家のコレクションからまだ未公開の新品種を見ることができ、参加者全員にジムさんの著書「Growing Plumerias in Hawaii and Around the World」に本人のサイン入りでプレゼントされます。また、米国農務省で認可されたプルメリアの栽培品種から一つ選んでお土産としてもらえます。

ツアー内の説明でもありますが、一度鉢植えになった植物が、１フィート(30cm)になると、土に植えます。それから花を咲かせるまでは2年～5年かかり、そして、その花を見て、ジムさんが最新のハイブリットが「特別なもの」、つまり新品種として名前をつけて売り出す価値があるかどうかを判断するのだと言います。　

先にも触れましたが現時点で100種類以上のジムさんオリジナルの品種があり、ジムさんの品種には全てイニシャルのJLが頭についています。

恐らくうまくいかなかったことも数えきれないほどあったと想像つくので、根気と辛抱、不屈の精神がないとできない作業と言えます。そんなジムさんが50年間情熱を注いで育ててきたプルメリアファームを、息子と孫が新たな形で継承、発展させていく扉を開いたと言えます。

ツアーは、プルメリアが咲く5月1日～10月31日までの期間限定です。敷地内もまだまだこれからツアー用に整備されると同時に、新しいプルメリアの木もどんどん栽培していきますので、訪れる度に新しいプルメリアに出会えるかもしれません。この開催期間にハワイ旅行に来られる予定のある方はぜひ世界でも稀なプルメリアの花々に囲まれに行ってみて下さい。