オアフ島のワイアルアに、ヤギたちと触れ合いながら、のんびりとしたハワイの時間を過ごせる場所があります。それが「Sweet Land Farm」。週3日行われているファームツアーでは、エサやりやミルク搾り体験などヤギと身近に触れ合うだけでなく、このファームでのものづくりや酪農の仕事についても知ることができます。自然の中で過ごすハワイの楽しみ方を求めて、実際にファームツアーへ行ってきました。

ヤギたちと触れ合える癒しの場所、Sweet Land Farm
Sweet Land Farmの始まりは、オーナーであるエマさんの「ヤギを育て、地元でチーズを作りたい」という夢でした。
もともとエマさんは料理の道を志し、リーワード・コミュニティ・カレッジで学んでいました。しかし、マウイ島のヤギ農場でインターンシップを経験したことをきっかけに、料理への情熱がヤギとその極上のミルクにも向けられることに気づいていったと言います。それもそのはず、実はエマさんの家族には、酪農に携わってきた背景があったのです。そんな環境で育ったことも、現在のファームにつながっているのかもしれません。

オアフ島で唯一のヤギ酪農場をオープンさせたオーナーのエマさん
エマさんが農業に興味を示した時、ご両親はとても喜んだそうです。そして、ご両親や農業工学の学位を持つお兄さんの全面的なバックアップを得て、エマさんはパイナップル畑だった現在の土地を購入し、ファームのオープンを実現させたそうです。
「どうしてヤギだったのですか?」と尋ねると、エマさんは笑いながら、「牛は大きくて大変だから辞めなさいと言われて。ヤギのほうが扱いやすいから。それにヤギってとてもインテリジェントなのよ」と教えてくれました。

ファームショップの奥にある窓から覗くチーズの熟成室
Sweet Land Farmは2010年のオープン以来、少しずつファームとしての形を整えながら、現在ではヤギを育てるだけでなく、飼料となる牧草を自ら育て、ミルクを生産し、チーズ作りまで行っています。
Sweet Land Farmを訪れて興味深いと感じたのが、エマさんがもともと学んでいた料理の経験が、現在のファームの中にも生かされていることです。
ヤギを育て、牧草を自ら栽培し、ミルクからチーズまでを作る一貫した取り組みを行っているSweet Land Farm。ここでエマさんが大切にしているのは、こうしたファームの営みを通して、地元ハワイの持続可能な農業に貢献していくことです。こうした取り組みは、ハワイの食料安全保障を支える一つの役割も担っています。

ファームショップでは、各種デザートやチーズ、コーヒーのほか、オリジナルのアパレルやバス&ボディ製品も購入できる
ファームショップには、ファームで作られたチーズ各種をはじめ、パンナコッタや焼き菓子、ゴートキャラメルなど、さまざまなグルメ商品が並びます。この中でダントツの人気商品は、アイスクリームだそう。定番のバニラやコーヒー、キャラメルのほか、週替わりで8種類あるフレーバーはどれも美味しそうで、目移りしてしまいます。

ゴートミルクのアイスクリームは一番の人気商品
迷った結果、今回は店員さんおすすめのマンゴと、ちょっと変わったブラックペッパー&カカオニブをトライしてみました。マンゴは酸味控えめなまろやかな味。そして、ブラックペッパー&カカオニブはバニラベースのアイスにクランチーでビターなカカオニブと、ほんのりパンチがきいたブラックペッパーがマッチしていて、今までに味わったことのないユニークで見事な組み合わせでした。

フェタチーズ、ゴーダチーズなど、さまざまなタイプのフレッシュなチーズ
ちなみに、一部の商品はホノルル市内でも、カイムキのLocal General Storeやベレタニア通りのHōʻiliʻili Market by Farm Linkで販売されているそう。「ワイアルアまで行けない」という方は、これらのお店に問い合わせをしてみてください。

ゴートミルクで作ったオリジナルソープやローションはお土産にも喜ばれそう
このように「ヤギを育てる場所」と「食を楽しむ場所」が一つになっているのが、Sweet Land Farmの面白さ。ファームを見学した後にショップを訪れると、目の前で見たヤギたちから、実際に食べるものまでがつながっていることを感じられます。
そして、今回の訪問のメインとなったのがファームツアーです。

ツアーのチェックインは、ファームショップのレジにて。カマアイナとミリタリーの割引あり
ツアーは10時と11時45分の2回あり、開始15分前までにファームストアでチケットを購入し、リストバンドを付けてスタートの案内を待ちます。
ツアーはまず、Sweet Land Farmについて紹介するビデオを見るところからスタート。この日ガイドをしてくださったのは、エマさんのご主人のショーンさんです。ファームがどのように始まり、どんなことを大切にしているのかという話から、日々の作業やチーズ作りの工程まで、ビデオとショーンさんの補足説明を聞きながら知ることができます。

搾乳室の説明するショーンさん。ここで1日2回、搾乳が行われます。

大人のヤギのいる一番大きな畜舎
ビデオを見終わったら、ヤギたちが1日2回ミルクを搾られる搾乳室を見学してから、実際にヤギたちのいる畜舎へ向かいます。最初に入る一番大きな畜舎は、大人のヤギたちが暮らす場所。ここではショーンさんが一匹のヤギを外に連れ出し、搾乳を体験することができます。私もトライさせていただきましたが、ヤギのお乳の温かみを感じるちょっとしたワクワク体験でした。

希望者は搾乳体験もできます。

楽しそうにエサやりをする同じツアーに参加していた子どもたち
その次は、子ヤギがいる畜舎へ移動。一人一袋のエサをもらい、ヤギたちにエサをやることができます。お隣のファミリーの子どもたちも、最初は恐る恐るという様子でしたが、すぐに慣れ、みんなで楽しそうにエサやりをしていました。

「酔っ払わないの?」と笑いが起きた、コロナビール瓶での授乳
そして最後は、赤ちゃんヤギとの触れ合いです。まだミルクで育てられている生後2〜3カ月の赤ちゃんヤギ2匹を檻から出し、スタッフがミルクを飲ませます。ここで思わず笑ってしまったのが、ミルクをあげる哺乳瓶がコロナビールの瓶だったこと。いろいろな容器を試した結果、このコロナの瓶が一番しっくりきたのだそうです。お腹いっぱいになった赤ちゃんヤギと、それを追いかけて走る子どもたちの様子がとても微笑ましく、ファームならではの温かな光景でした。

走り回る赤ちゃんヤギと子どもたちの微笑ましい風景
ハワイといえば、青い海やビーチ、ショッピングなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、少し足を延ばしてみると、緑豊かな自然の中で動物たちと過ごす、もう一つのハワイに出会うことができます。

畜舎と背後にそびえるコオラウ山脈。 Sweet Land Farmでは、86エーカーの土地で60匹以上のヤギを育てている。
Sweet Land Farmのファームツアーでは、ヤギたちを間近で見るだけでなく、実際に触れ合ったり、ファームの仕事について話を聞いたりすることで、動物たちとの距離がぐっと近く感じられます。また、ツアーでなくても、木曜から土曜の午前9時から午後2時までは一般公開されており、自由に訪れることが可能です。ワイキキからだと車で40分ほど。少し足を伸ばしただけで、コオラウ山脈を望むのどかな景色に出会えます。ヤギたちが暮らすファームのゆったりとした空気が心地よく、私自身も本当に心が洗われるリラックスタイムを過ごすことができました。

オアフ島で唯一のヤギファームは、小さなお子様連れファミリーの人気スポット
小さな子どもを連れたファミリーの姿も多く、ヤギにエサをあげたり芝生の上を走ったりしながら、笑顔と笑い声に溢れていたのも印象的でした。動物との触れ合いを楽しみながら、自然や農業についても学べるので、お子様連れにも大変おすすめです。
今までとはひと味違った、のんびりとしたハワイを体験してみたい方は、ノースショアへドライブする際にSweet Land Farmに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。ヤギたちに会いに行くことを目的に出かけるだけでも、きっと新鮮なハワイの楽しみ方になるはずです。

