マラサダだけじゃない!ハワイグルメ通が大注目のドーナツ旋風

ハワイといえばマラサダが有名ですが、実は今、ハワイでマラサダ以外のドーナツ専門店が増え、グルメシーンに新たな風を吹き込んでいます。こちらの記事では、そんなハワイのドーナツ事情とおススメのドーナツショップをご紹介します。

ポップでクリエイティブなグルメドーナツ屋さんが増加中

なぜ今ハワイでドーナツ屋さんがアツいのか?

ポルトガルから伝わり、ハワイのソウルフードとなったマラサダは、長年にわたり観光客やローカル達に愛されてきました。マラサダの有名店、レナーズには毎日長い行列ができていますし、ポットラックパーティやちょっとした差し入れなど、マラサダの出番はハワイの日常のそこここに。そんな中、マラサダ以外のドーナツを売る専門店が、ここ数年ハワイで目立ってきているのです。その理由については定かではありませんが、恐らくこのような背景があるのではないかと思いました。

まず、全米で近年グルメドーナツのトレンドが広がっていること。ご存知の通り、アメリカ人はドーナツが大好き。そのアメリカでここ数年、創造的なトッピングやヘルシーで高品質の材料を使用したドーナツが人気を集めています。このトレンドがハワイにも波及し、地元の素材を使ったり、ハワイならではのフレーバーを取り入れたりした新しい味が誕生しているのです。食への関心が高いハワイ住民に、このマラサダ以外のチョイスが魅力的だったのは想像に難くありません。

クリエイティブで目にも楽しいトッピング

また、2020年から続いたパンデミックで一時休業や廃業をしたビジネスが多かったことも、一つの要因だったのではないかと思います。なぜなら、失業中の時間を有効に使おうと独立起業する人や、お家時間でお菓子作りを楽しむ人が増えたからです。そのような社会的背景が、“自分のお店を持つ”という人々の夢を叶える後押しになったのだと思います。今回取材をさせていただいたお店の中にも、そんなオーナーさんがいらっしゃいましたよ。

どこに行くか迷っちゃう!魅惑のドーナツショップ紹介

今回ご紹介するのは、ローカルからの評価が高い4軒です。どれもグルメ度の高いドーナツで、それぞれに違った特徴があるので、ぜひ食べ比べをしてみてください。

Little Vessel Co.

カイムキにあるMud Hen Waterというレストランの裏手にひっそりとあるお店

9th Avenueに出ているサインが目印

ベジタリアンの奥様と旦那様のカップルが、2020年にオープンしたお店。当初、カカアコの自宅キッチンで作ったドーナツをアパートの階下で売るところからスタートし、現在はカイムキの路地裏で、月、金、土、日の週4日だけ営業しています。お店の場所がわかりづらいにも関わらず、口コミでお客様が続々と足を運んで来ていました。

こちらのドーナツは、オーナーのKeenanさんが、一つずつ丁寧に揚げています。

ここのドーナツは、卵も乳製品も一切使っていないビーガンドーナツ。生地はどっしりとしたケーキタイプでなく、ふわっとしたイーストタイプになります。写真を見て「あれ?」と思った方もいるかもしれませんが、なんとこのお店のドーナツ、形が四角いんです!これには実は面白い訳が。4年前に大のドーナツ好きだった奥様の意向でドーナツショップ開業を決意した二人。早速キッチン用品専門店に行ったところ、パンデミックの影響により自宅でベイキングをする人が急増したため、丸いドーナツ型が売り切れていたのだそう。仕方なく売れ残った四角い型で作ってみたところ、「こっちの方がユニークでいいね」ということで、今でもこの型を使っているそうです。

フレーバーは週替わりで6種類。この他にアップルフリッターやボール状のドーナツも

気になるフレーバーは、定番のバニラとチョコレート系のものを含め、週替わりで常時6種類用意されています。シンプルなバニラと、フルーツ系フレーバーが特に人気だそう。限定数しか作らないこともあり、大きな祝日などには、開店から1、2時間で売り切れになってしまうこともあるそうですし、人気フレーバーから先に無くなってしまうので、なるべく早めの時間に行くことをお勧めします。

Holy Grail Donuts

店内は天井が高く、広々としていてスタイリッシュ

ローカル食材をふんだんに使った、made-to-order(注文を受けてから調理するスタイル)のドーナツを提供するお店。2018年、カウアイ島で一台のトラックから創業し、2022年にオアフ島カカアコ地区にフラッグショップをオープンしました。店内にはオリジナルのアパレル商品なども並び、とってもオシャレな雰囲気です。

こだわりのハワイ産食材の仕入れ先が壁面に展示されています。

こちらのドーナツの特徴は、なんと言ってもハワイ産のタロ芋を使った生地をオーガニックのココナッツオイルで揚げていること。食感は、外がサクッとした軽めのケーキタイプです。タロ芋以外にも、マウイ島にあるKula Farmsのいちごや、オアフ島のManoa Chocolateのチョコレート、Tolentino Honey Co.の蜂蜜など、ローカルの上質な食材を用い、地産地消を大切にしています。

今週のTasting BoxとHot Singleのフレーバー。パッケージの素材は100%コンポスト可能なもので、環境へ配慮されています。

メニューは、常時提供されているClassics4種のほか、毎週木曜日に4種類のTasting Boxフレーバーが入れ替わります。ダントツの一番人気は、Laie産のバニラビーンを使い、メープルにシーソルトでちょっとアクセントが効いた「OG Glazed」だそう。ロコが大好きなパッションフルーツの風味を効かせた「Notorious P.O.G.」も人気があるそうです。

Purvé Donut Stop

超ポップなアートで彩られた店内。こんなインテリアからもドーナツを味わう楽しさが演出されています。

ロゴのユニコーンが可愛いPurvé Donut Stop。長い間バーテンダーとして働いていた2人の仲間が、一念発起してナイトライフから卒業し、ドーナツについて研究に研究を重ねて2018年にオープンしたお店です。現在はオリジナルのカカアコとカハラの2店舗ですが、今後はフランチャイズ展開で店舗を増やしていくそうですよ。ナイトシーンで活躍していた2人だけあって、インテリアもマスコットキャラも、そしてドーナツ自体も、全てにポップな遊び心が!店内に入るだけでウキウキします。

カラフルで美味しそうなフレーバーが全15種類

さて、その気になるドーナツ達はどんなものかというと、週ごとに変わる「Weekly D」を含め、全15種類の品揃え。そして、ネーミングがどれも面白い!例えば、ミントの緑色から超人ハルクの名を取った「Hulk Smash(ハルクスマッシュ)」やリヒムイ(乾燥した梅干に塩と砂糖、中国版リコリスの粉がかかったもの)の色が日焼けで真っ赤になった白人の肌に見えることから名付けられた「Sunburnt Haole」(注:Haloeとは、ハワイ住民が使う白人に対しての呼び名)など。因みに、一番人気のフレーバーは、お店のマスコットであるユニコーンのようにカラフルな「Unicorn Butt Sneeze 」だそうです。お店中央に見本がずらりと並んでいるカウンターがあり、その横にあるオーダー表に注文したい数を書いて、レジに進む仕組みです。注文後にガラス張りになったキッチンで、デコレーションをするところが見られるのも楽しい演出です。

塩味とほのかな甘味がマッチしたブレックファストサンドイッチはマストトライ

ところで、このお店でもう一つお勧めのメニューがあります。それは、「Rise’n’ Shine Sandwiches」というドーナツの朝食サンドイッチ!ほんのり甘味のあるドーナツに、スクランブルエッグとチーズ、そしてベーコンまたはソーセージがサンドされていて、甘さとしょっぱさが絶妙な組み合わせなんです。カハラ店限定のメニューになりますが、ぜひ試してください。

Island Glazed

パールハーバーや西側にレンタカーで行くなら、ぜひ立ち寄ってほしいIsland Glazed

最後にご紹介するのは、パールリッジセンターの近くにあるIsland Glazed。昨年11月にオープンしてから、ローカルの間で人気急上昇のお店です。なんと、こちらも最初にご紹介したオーナーさん同様、「ドーナツショップを開きたい!」という奥様の夢を叶えるためにご夫婦でオープンされたお店。ハワイの人は奥様の意見を尊重する素敵な男性が多いのか、なんとも微笑ましいストーリーです。ご夫妻がこのお店に願うのは、ドーナツを通してコミュニティを育みたい、ということ。ローカルデザイナーに依頼して描いてもらったという店内のアートに、その想いが込められています。

ショーケース横のウォールアートは、オーナーのDanielさんがローカルアーティストに頼んでコンセプトを表現して描いてもらったそう。

そんなオーナー夫妻が、米国本土でドーナツ店を営む親戚の助言も得ながら、「これだ!」と行き着いたレシピのドーナツ生地は、ふんわりしたイーストタイプ。日本にも進出している有名店、クリスピークリームドーナツに近い軽い食感が味わえます。そして、この美味しい生地と共に、もう一つこのお店を人気店にした理由は、ハワイらしい独特のフレーバーの豊富なセレクションです。グアバやパイナップル、リリコイ、そしてドラゴンフルーツまで、トロピカルフルーツのフレーバーがとにかくたくさん!また、マカデミアナッツチョコやウベなども要チェックです。

ウベ、ドラゴンフルーツ、マカデミアナッツチョコ、抹茶、グアバ、コーヒーの6種のフレーバーを詰め合わせ

さらに、こちらのお店ではコーヒーにもこだわっており、ローカルに人気のブランド、Ali'i Coffeeの豆でコーヒーを淹れています。ドーナツをさらに美味しくするコーヒーの役目は重要ですよね。

さて、そろそろドーナツを頬張りたくなりましたか?ハワイのドーナツシーンは、多様性と創造性に溢れる新たな時代を迎えています。次回のハワイ旅行でご紹介したショップを訪れて、その魅力をぜひ体験してみてください。

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デコスタなおこ

美的ブランディング戦略コーチ。起業家向けに“自然にお客様を引き寄せる”ブランド作りをサポート。短時間のヒアリングから言葉とデザインで的確に世界観を表現するランディングページ、SNS魅せ方コンサル、ライブ配信サポート等のサービスを提供。

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