国が違えばルールも違う。日本で何気なく行っていることが、ハワイでは違法とされているかもしれません。違反チケットを切られてから「そんなの知らなかった!」とならないように、現地のルールを把握しておきたいものです。こちらの記事では、日本人が知らない可能性のありそうなハワイの交通ルールについて、知人の現役ホノルル警察官Aさんからのアドバイスも含めてまとめてみました。
ワイキキにある交番とパトカー
レンタカーがあると、旅行中の行動範囲や自由度が格段に広がりますよね。しかし、日本で運転に慣れているからと言って、油断は禁物です。まずは、ドライバーとして知っておくべきルールをお伝えしましょう。
不慣れなハワイの道を運転するのに、ナビは欠かせない存在。でも、ハワイでは緊急の911通報をする時以外、運転中にモバイル電子機器を触ることは違法なのです。これには携帯電話はもちろん、MP3プレーヤーやナビゲーションデバイスも含まれます。赤信号や一時停止標識で停止している間であっても、これらを手で操作することは禁止です。ナビは同乗者に操作をお願いするか、発車前に設定しておくようにしましょう。
歩行者がいる時は必ず停止がルール
ハワイでは歩行者に対する車の停止義務が厳格に適用されています。歩行者が車道に出てきて事故になってしまった場合、横断歩道がないところであったとしても、よほど急な飛び出しや運転手から視界が遮られていたなどの状況でない限り、車両側の過失となってしまうそう。ですので、運転中は常に歩行者に十分な注意を払ってください。
曲がる時は“必ず”歩行者のために止まるように、というサイン
また、信号のない横断歩道が時々ありますが、そのような横断歩道を通り過ぎる時は要注意。例え横断歩道に入ってきた歩行者が自分の走行しているレーンの前を通り過ぎたとしても、すぐに発車してはいけません。その歩行者が自分側の歩道に完全に着くまで、もしくは横断歩道の中央から自分と逆側のエリアに入るまで、停止していないといけない法律になっています。Aさん曰く、このルールはローカルの人でも案外知らずにチケットを切られることがあるそうなので、十分に気をつけましょう。
NO TURN ON RED EXCEPT FROM RIGHT LANE AFTER STOP(右側車線で一旦停止をした場合を除き赤信号でのターン禁止)の標識
日本と逆車線のハワイでは右折が日本での左折と同じ感覚になりますが、日本では赤信号の時は左折禁止なのに対し、ハワイでは赤信号であっても歩行者や左から来る車がない場合は右折しても大丈夫です。しかし、「NO TURN ON RED(赤信号でのターン禁止)」の標識がある交差点では、必ず青信号になるまで待たないといけません。但し、「NO TURN ON RED」の下に「EXCEPT FROM RIGHT LANE AFTER STOP(右側車線で一旦停止をした場合を除く)」と書いてあるところでは、一番右側の車線で一旦停止をすれば右折が可能。ややこしいですが、標識をよく見て運転をしましょう。
また、「LEFT ON GREEN ARROW ONLY(緑の矢印の時のみ左折)」という標識のある交差点があります。これは、左折用の緑色の矢印が点灯した時のみ左折可能ということ。矢印ではない青信仰の点灯だけの時に左に曲がらないように注意しましょう。
HOVレーン規制の標識。こちら側は朝6〜8時が規制時間
それから、HOVレーンというのがあるのをご存知でしょうか?HOVとは、High Occupancy Vehicle(直訳すると「占有率の高い車両」)の略で、「2名以上が乗車している車両」という意味です。朝夕の交通渋滞の緩和を目的とした渋滞時間に適用されるルールですが、規制時間中にこのレーンを一人で運転していると、違反チケットを切られてしまいますよ。
スクールバスの周りは子供に注意
黄色い車体が目印のアメリカのスクールバス。このスクールバスが赤いライトを点滅させている時は、後ろの車は必ず停止して待たないといけません。では、対向車線の車はそのまま走行しても大丈夫?答えはNoです。対向車線であっても、スクールバスの発車を待ってから発進しなければならないのです。但し、中央分離帯が間にある場合の対向車線なら停まらなくても大丈夫ですよ。
そして、スクールバス以外にも追い越し禁止のルールがあります。それは、対向車線との間のラインが黄色の二重線のところです。このラインが破線(点線)ならば、対向車に注意して追い越し可能ということになります。
ブースターシートは量販店でも購入可能
日本ではシートベルト着用義務は運転手と助手席のみですが、ハワイでは後部座席に乗る人も全員が絞めないといけません。また、お子様を乗せる時は、2歳までは後ろ向きにのせるタイプのベビー用シート、2歳〜4歳はハーネス付きのチャイルドシート(前向きでも後ろ向きでも可)、そして4 〜9歳(身長が4フィート9インチ=約145cm以上の場合は除外)はブースターシートが必要です。各種チャイルドシートはレンタカー会社でレンタルもできますし、ブースターシートはウォルマートなどの量販店で比較的安価なものが販売されています。チャイルドシートの違反は最大500ドルの罰金なので、気をつけましょう。
先ほどは運転時の注意点でしたが、次は歩行者として気をつけてほしいことをいくつかご案内します。というのも、歩行者であっても違反チケットを切られることがあるのです。実際に私もチケットを切られた方からお話を聞いたことがあります。罰金で余計な出費も嫌ですが、事故の可能性を最小限にするために、歩行者としても気をつけましょう。
歩きスマホは横断歩道内では違法に
日本でも歩きスマホは問題になったりしていますが、こちらハワイでも同様。そして、これに対応するための法律もあります。“Distracted walking(注意散漫な歩行)” law と呼ばれ、横断する時にモバイルデバイスを見ていると15ドルから99ドルの罰金の対象となります。歩きスマホをしていると、赤信号でも右折OKなハワイでは巻き込み事故の危険性が十分にありますし、ひったくりの標的にもなるので、絶対やめてください、とのAさんのアドバイスでした。
横断歩道がないところを横断する行為は、ジェイウォークと言ってハワイでは違法となります。これは結構皆さんやってしまいがちだと思いますが、ジェイウォークの罰金はなんと130ドル!円安だとなおさら痛い金額ですよね。今年に入って、交通量の少ないところでのジェイウォークは歩行者の判断に任せて良いこととする、という法案が州議会で検討もされているようですが、今現在はまだ違法なので注意しましょうね。
点滅やカウントダウンが始まったら横断開始はNG
歩行者用の信号が点滅し始めたら、もしかして急いで横断歩道を渡ろうとしていませんか?ハワイでは、点滅し始めてから(もしくはカウントダウンが始まってから)横断歩道に入っていくのも何と違法となるのです。横断歩道に一歩でも入った後に点滅が始まるのは問題ないので、急いで渡るようにしましょう。この違反も罰金は130ドルとなります。
このように日本とハワイではいくつか交通ルールに違いがあるため、注意しておくことが必要です。交通ルールを守りながら事故や罰則を避け、ハワイでの時間を有効に楽しく過ごしましょう。英語ではありますが、ハワイ州の交通ルールについてのより詳細な情報を提供しているリンクを以下にご紹介しておきますので、こちらもぜひ参照してみてください。
※情報は2024年9月現在のものです。