ここ数年で、高級コンドミニアムやおしゃれなレストランが立ち並ぶようになった最新のハワイのトレンド発信地、カカアコ。かつては工場地帯だったカカアコは、今やワイキキ、アラモアナにつぐ観光エリアとして発展し、ツーリストがタクシーやレンタカーでやってくるほどになりました。
そのカカアコのちょうど真ん中あたりに位置するのが、緑あふれるマザー・ウォルドロン・パーク。バスケットに興じる子どもたちの歓声が耳に心地よく響き、巨大ウォールアートが屋外美術館のように楽しめる緑あふれる公園です。
その公園のストリート沿いに、今年の3月から登場したのがフードトラックの「Veek」。トラックの中からは招き猫がお出迎してくれて、ちょっとほっこりする雰囲気に思わず笑顔になります。ペットと散歩中の家族連れや、ジョギング中のヘルシー志向の人たちが足をとめて買っていく各種バーガーは、がっつりこってりというよりはヘルシー!だって一切、動物性の食材は使っていないのだから。
フードトラックから笑顔で出迎えてくれたのは、ユキさん。2022年の3月に3人の仲間が集まってオープンしたという「Veek」は、ニューヨークでイタリアンやフレンチのレストランでシェフをしていたタカシさんとその奥様のよしこさん、そしてユキさんが経営しています。気になる「Veek」の名前の由来を教えてもらうと、VegetarianのVeとVeganのVeにSeek(探す・前進する)のekを組み合わせた造語だそう。なんだかとってもカッコいいネーミングです。
コロナ前にはよく外食していたというユキさん。コロナ禍で自宅にいる機会が増えたことで、真剣に自分の食生活を見直したのだそう。「ビーガンとは何か?」「食にまつわる環境問題とは何か?」と考え、動物(牛)が二酸化炭素(Co2)やメタンガス(CH4)といった地球温暖化をもたらす温室効果ガスを大量に発生しているという現実も知り、身体に優しく地球に優しい食べ方について考えるようになったという。
「週1~2回、植物ベースの食事を食べるようにし始めたら、体調が改善してきました。そんな経験から、ビーガンでなくても、ふつうの人にもヘルシーな食事を提供したいと思いました。」と、Veekオープンに至った理由を語ってくれたユキさん。
その考えに共感したのが、タカシさんとよしこさん。長い間いメインランドで食に従事していたタカシさんは、ハワイに来た時に、食に対しての選択枝が少ないように感じたそうです。通常の食生活の中で、週に1日でもいいので、ビーガンまたはゼロミートを取り入れることで、「今、自分たちが口にしている物は何なのか」、「それが何から来ているのか」などと食について考えてもらいたいのだそう。牛が発するげっぷによる大気汚染といった環境問題、牛の屠殺(とさつ)などの動物愛護の問題、そしてサステイナブルなどの考え方に、みなさんに向き合ってもらいたいという3人の思いがフードトラックという形になりました。
ビーガンの人にだけではなく、最初はおしゃれとかカッコいいとかいうファッション性という入り口からでも構わないので、みんなに100% Plant Based Ingredientを食べてもらい、広い意味での食を楽しんでもらいたいというのが3人に共通するメッセージです。
早速、Veek おすすめバーガープレートを紹介しましょう。最初におさらいです。使われている「プラント・ベース・バーガー」とは動物性の食材を一切使わずに作ったバーガーのこと。これが大事なキーワードです。
一押しのシグニチャーメニューはThe Veek Burger。かぶりついた瞬間の食感は、ジューシーでリッチ。これが大豆や野菜を原料にして、仕上げられたパテだとは信じられないほど、お肉のジューシーな味わいを表現しています。アイオリやチポトレを隠し味にしたソースが全体をまとめ、具材とソースの見事な一体感を味わえます。体の中からキレイになれそうなぐらいにアボカドとトマトもフレッシュ!今回はJUST EGGというヴィーガン・ブランドの植物性原料を使ったオムレツをアドオンしてもらいました。見た目もカラフルでますます食欲がみなぎります。厚めで食べ応えがあるので、大きく口を開けて、ワイルドに食べて欲しいThe Veek Burger。食べつくしても罪悪感なしなのが100% Plant Based Burgerのいいところです。日替わりのサイドディッシュは野菜メインで、今日はローストポテトとケールで栄養満点&大満足の一品でした。
チーズバーガーをイメージして作られたMelty Lavaも100%植物性の食材で作られたバーガーです。チーズに見えますが、こちらはかぼちゃや豆類などの野菜から作られているというからビックリ!チーズのようなとろみを見事に再現しています。マッシュルーム、オニオンソテー、トマトと野菜がたっぷりでボリューミーなMelty Lava。まろやかなソースとソフトなバンズの絶妙コンビネーションにもう病みつきです。
じゅわっと口の中に広がる肉汁のような味わいのパテは、もちろん100%植物性食材が原料。マヨネーズには卵を使わずに、ホースラディッシュの爽やかな辛味をいかしています。秘伝の照り焼きソースは、コクがあって日本人好みの甘辛味。パテにもしっかり照り焼きソースの味がしみ込んで、まったりとした旨味が楽しめます。何よりもたまらないのが、Teri Teriのアクセントになっているキャベツの千切り。シャキシャキの新鮮なキャベツの食感がおいしさをダブルにしています。
コーラよりやさしい炭酸ドリンクのCraft Colaは、エキゾチックな風味がたまりません。砂糖も酸味料、香料も使わず、シナモンなどのスパイスをバランスよく使って作られたヘルシーで安心なドリンクです。フレッシュ・シトラスを絞れば爽やかさが倍増。のどの渇きを優しく癒してくれるCraft Colaには、再利用可能なエコストローが使われています。
Veekが提供しているバーガーのおいしさの秘密は、植物性食材で作り上げた独特なミート感のあるパテと長年かけて研究したソース。この2つが調和して、最高のビーガンバーガーが誕生しました。
ヘルシーなランチをVeekで調達して、公園のテーブルに座ってウォールアートを眺めながらのんびり過ごすのが、ハワイロコの休日の過ごし方。Veekに来たら、何度訪れても、まだ知らないハワイがあったんだと感動するはずです。とことん食材にこだわったワンランク上のビーガン・バーガー、ぜひお試しあれ!