ホノルル警察官からこっそり聞いた!オアフ島の危険な場所

日本語が通じるお店やサービスも多く、海外の中で治安も比較的良いと言われているハワイ。ひとり旅やお子様連れの旅行者も多いですよね。しかし、そんなハワイでも注意が必要な場所や状況が存在します。こちらの記事では、安全な旅にしていただくために、事故と犯罪の両面で注意の必要なオアフ島内の場所について、現役ホノルル警察官のAさんからのアドバイスを交えながらお伝えしていきます。

ハイアットリージェンシーの向かいにあるワイキキの交番は旅行者にありがたい存在

ちょっとした油断が危ない!事故が起きやすい場所

まずは事故が多い場所について。旅にはアクシデントがつきもの、とはよく言いますが、怪我については注意をすれば未然に防げる場合が多くあります。ハワイの豊かな自然やアウトドアアクティビティを楽しむ際は、十分に注意しましょう。

危険な海水浴スポット

オアフ島で救助される人の多いビーチのトップ3に必ず入るのが、ハナウマ湾の先にあるサンディビーチ。サンディビーチやさらにその東のマカプウビーチなど、岸に近いところで波が一気に崩れるショアブレイクのビーチは要注意。波に背を向けて波打ち際で遊んでいると、あっという間に波にさらわれる、なんていうことがあります。ハワイの波のパワーは日本より数段強いと思ってください。

シュノーケルスポットとして人気のハナウマ湾

因みに、Honolulu Emergency Services Departmentの2022年のデータで、サンディビーチを抜いて一番救助件数が多かったビーチはどこかご存知ですか?それは、何とワイキキビーチなんです!訪れる人数が格段に多いこともありますが、多い日には1日で100件以上救助を行うこともあるのだとか。また、シュノーケルスポットとして有名なハナウマ湾も毎年多くのレスキューが発生しています。穏やかなビーチでも油断していると大変な事故になりかねなるという証拠ですね。

ノースショアのシャークスコーブ

このようにガイドブックでも有名なビーチでの事故が多いのが事実ではありますが、Ocean Safety Chief のJohn Titchenさんが昨年ニュースで語ったところによると、SNSの普及によって、救助要請の傾向に変化が出てきているそうなのです。SNSの写真を見て、今までは地元の人しかいなかったビーチに行く観光客が増えてきたため、様々な箇所から救助の要請が入ってくるようになったそう。ナナクリのエレクトリックビーチ、ノースショアのシャークスコーブやスリーテーブルズ、東海岸のチャイナウォールズがその代表例として挙げられています。

クラゲに注意のビーチサイン

観光客にとって、溺死は以前から最も多い死因なのです。ビーチに出かける際は、ライフガードのいるところに複数人数で行くようにしましょう。また、到着したら様々な注意喚起のビーチサインを確認しましょう。

危険なハイキングスポット

観光客に一番身近なハイキングコースのダイヤモンドヘッド

ワイキキがビーチの救助件数No.1 であったのと同様、ホノルル消防局のデータで最も救助件数が多いハイキングコースは、そう、あのダイヤモンドヘッドなんです。そして、ダイヤモンドヘッドに続いて救助が多いのがヌウアヌのルルマフフォールズ、ラニカイピルボックス、ココヘッドクレーターの3箇所です。どこも美しい自然の景観と程よい達成感が得られる中級コースゆえに、気軽にチャレンジして怪我をする件数が多くなるのでしょう。ダイヤモンドヘッドでは時折サンダルで登る人などの姿がありますが、これは絶対やめてください!頂上の方は傾斜も激しく、足元が滑りやすい箇所も多いのです。

ココヘッドクレーターの麓

そして、コオラウ山脈とワイアナエ山脈に恵まれたオアフ島には、上級者向けのコースが実はたくさんあるのです。オロマナ・トレイル、マウント・カアラ・トレイル、パリ・ノッチ・トレイルの3箇所が特に危険なコースと言われています。オロマナ・トレイルでは一週間に1度は救助活動が行われるそうです。また、パリ・ノッチ・トレイルでは、昨年30代の男性が3日間も行方不明になった末に救助されています。

なかなかこのような危険なコースにチャレンジする観光客は少ないと思いますが、たとえ初級コースであったとしても、服装や天候の調査などの準備不足や自分の体力への過信が事故や怪我につながります。十分な水分を持参し、適切な服装で、必ず2人以上で行くようにしましょう。

観光客が狙われる!ハワイで犯罪の多い地域とは?

「日本人観光客が被害に遭ったというニュースはたまにしか出ないけれど、実は数えきれないほどの事件がハワイのあちこちで毎日起こっているのです」とは現役ホノルル警察官Aさんの談。一体どこでどんな犯罪が多いのでしょう? Crime Mappingというホノルル警察のウェブサイト上にあるツールでそれが見られます。犯罪の種類、地域、期間などで検索ができ、表示された地図上のマークをクリックすると、犯罪の種類や住所、そして発生時刻が表示されるようになっています。

犯罪の情報はこのCrime Mappingでも確認できますが、『犯罪が多く、観光客が気を付けるべき場所』をAさんから教えてもらいましたので、ぜひ参考にしてみてください。

カリヒ地区

カリヒ地区にある人気レストランNico’s Pier 38

まず挙げられたのは、ダウンタウンと空港の間に位置するカリヒ地区。ワイキキから比較的近く、Nico’s Pier 38、カメハメハ・ベーカリー、ライオン・コーヒーなど、ガイドブックに載っているお店もあるので、観光客の姿もちらほら見かけます。ですが、低所得者用住宅の数が、カリヒ地区単体だけでも島中の他の全てのエリアの合計より多く、治安がとても悪いのです。先月はカリヒ地区で市バスに乗っていた少年がバスの外から撃たれて重症となった事件がありました。もし行きたいお店がある場合は、Uberやタクシーなどを使ってピンポイントで行くようにし、ウロウロ周りを歩かないようにしましょう。

カリヒ地区には刑務所があり、低所得者住宅も多い

チャイナタウン

最近おしゃれなブティックやギャラリーも増えてきたチャウナタウン。美味しい飲茶のお店もたくさんあります。しかし一方で、ホームレスが多く、ドラッグ売買が頻繁に行われている場所でもあるのです。ワイキキ以外に交番があるのが唯一チャイナタウンであるのも、それだけ治安が悪いから。夜のチャイナタウンは激変しますので、出かけるのは危険です。

ワイアナエ地区

ワイアナエコーストのマカハビーチ

マカハビーチやナナクリビーチのマーメイドケーブなど美しい場所が多いオアフの西海岸側、ワイアナエも要注意地域です。直近の2ヶ月間(2024年7〜8月)で、何と4件もの発砲事件が起きています。海岸線にはホームレスのテントもたくさん。ですので、まず夜は決して行かないこと。そして、もし昼間に車で行く場合は、絶対に車中の見えるところに荷物を残さないようにしてください。

景観・ハイキングスポットの駐車場

車上荒らしが多い潮吹き穴の駐車場

潮吹き穴、マカプウ・ルックアウトなど、景観を楽しむスポットの駐車場、またハイキングコースの駐車場も注意が必要です。「こういう所には、しょっちゅう車上荒らしをする犯人グループがいるのです」とAさんは言います。「彼らはたくさんある車から物色して狙いを定め、乗車していた人たちが車から離れた数分の間に犯行に及びます。一人が見張り役となり、その他が実行犯となってグループで動いているのです」

アドバイスとしては、先ほどのワイアナエと同様、車中の見えるところにはどんな荷物であっても絶対に残さないこと。もしそのバッグにオムツやスナックしか入ってなかったとしても、犯人は何が入っているか知らないため、鍵や窓を壊されたりしかねません。また、トランクに荷物を入れる場合でも、入れているところを見られたら鍵を開けて盗まれることがあります。

ワイキキ

ワイキキビーチは置き引きが多い

観光客が被害に遭うのは、治安が悪い地域よりもワイキキやアラモアナが多いのも事実です。中でもホテルが密集しているワイキキは、犯罪者にとって格好の漁場。また、夜中まで開いているバーが多いので、夜は酔っ払いの喧嘩なども起きやすいです。最近はワイキキでも銃を使った犯罪が増えており、今年6月にはワイキキビーチで日本人観光客が銃で脅され、パスポートやクレジットカード、現金が入ったバッグを奪われた事件がありました。また7月には、被害者は出なかったものの、ホテルで銃を持った男が立てこもる事件も報道されました。

エレベーターでも注意が必要

しかし、Aさんによるとこれらはほんの氷山の一角で、実際は星の数ほどの被害届があるそうです。聞いて驚いたのは、ワイキキのあるホテルで以前日中に起きたという暴行事件の話。2人で旅行中だった日本人女性の一人が、ホテル階下のお店に買い物に行った後のこと。エレベーターから自分の部屋の階で降りた時、もう一人男性が降りたのです。同じフロアの宿泊者だと思い、あまり気にせずに自分の部屋のドアを開けところ、一緒に入ってきて銃を突きつけられ、ツインベッドの間に押し込まれてボコボコに殴られたという事件でした。幸い命に別状はなく、同室の友人や同じ階の通行人に助けられたそうなのですが、昼間でもホテルの中でこんなことがあるという事実は驚愕です。このような報道されない事件も多々あるということを覚えておいてください。Aさんからのアドアイスとしては、「ホテルのエレベーターは意外に危ないので、怪しい人がいたら違う階で降りたり、また一階まで戻ったりするのがお勧め」だそうですよ。そして、「ワイキキであっても、夜10以降の外出や人気のない裏道を歩くのは控えてほしい」とのことでした。

犯罪を未然に防ぐための心構え

日本人観光客は被害に遭ってもすぐに帰国するために起訴することがほぼないので、犯罪者にとっては格好の標的と言われています。ハワイに来たら、一度犯人になったつもりで周りを見回してみてください。小柄で綺麗な格好をし、スマホ片手にキョロキョロして歩いている日本人観光客は狙い易いことが実感できると思います。「自分たちはターゲットになり易い」「ハワイも銃社会アメリカの一部である」そんな意識を持っているだけで、事件に巻き込まれる率はグンと下がります。細心の注意を怠らないようにして、楽しく安全な時間を過ごしてくださいね。

ABOUT WRITER
デコスタなおこ

美的ブランディング戦略コーチ。起業家向けに“自然にお客様を引き寄せる”ブランド作りをサポート。短時間のヒアリングから言葉とデザインで的確に世界観を表現するランディングページ、SNS魅せ方コンサル、ライブ配信サポート等のサービスを提供。

提供サービス・SNSリンク集