まるで、ディズニー・プリンセスの人気キャラクターのアリエル(Ariel)が住んでいそうな、神秘的な洞窟があるのをご存じですか?今回は、オアフ島の西海岸にあるその名も「マーメイド・ケーブ(Mermaids Cave)」という海中洞窟をご紹介します。
ハワイ版「青の洞窟」
マーメイド・ケーブ は、溶岩石で形成された岩盤の下に広がる、海に面した天然の洞窟で、「ここには人魚がいそう」とのことから、「Mermaids Cave(人魚の洞窟)」という呼び名が広まりました。満潮時には海水が流れ込み、まるで海の中にいるかのような幻想的な光景が広がります。海水が満ちたこの洞窟の内部は、上部の岩の隙間から差し込む太陽の光で水面がキラキラと反射して、時間帯によっては、日差しが斜めに入り込み、岩肌や水面に美しい光の模様を描き出します。この「マーメイド・ケーブ 」という名前は、ローカルの間で使われてきたもので、以前は知る人ぞ知るスポットでしたが、近頃はインスタグラムやYouTubeなどで紹介されたことから、観光客の間でも知られるようになりました。
まるでライトアップされたかのような美しい色合いの洞窟内
マーメイド・ケーブへは、オアフ島の西側にある「ナナクリ・ビーチ・パーク」周辺からアクセスすることができます。あまり治安がいいとは言えないエリアで、洞窟への入り口はとてもわかりにくいので、できればローカルの知り合いや、訪れた経験のある方と一緒に行くことをおすすめします。
ワイキキから H-1WEST フリーウェイをカポレイ方面へ→フリーウェイが自動的に ファーリントン・ハイウェイ(Farrington Highway)へと繋がるので、そのまま西へ進む→HIフリーウェイの終点から10分ほどでナナクリ・ビーチ・パーク(Nānākuli Beach Park)へ到着
このビーチパークの駐車場に車を停め、海側に向かって(左側に公共トイレやシャワー、右側にビーチが見える)歩き、岩場のエリアを海沿いに左側へと進む
C Line(Country Express)または93番(Express)など、西オアフ方面行きのバスに乗車して、 Farrington Hwy + Nanakuli Ave(ナナクリ・ビーチパーク前)の停留所で下車
一見するとゴツゴツとした溶岩岩の広がる何もない場所ですが、その岩盤の中にぽっかりと空いた穴があり、そこがマーメイド・ケーブ への入口となっています。この入口の穴は、地面から約2.5メートルほどの高さがあり、そのまま中へ飛び降りることも可能ですが、岩が多く滑りやすいため、十分な注意が必要です。いったん下に入ってしまうと、元の場所に戻ってくるのはかなり大変。岩肌がつるつるしている上に、登るには高さがあるため、サポートしてくれる人がいないと難しいこともあります。
この穴からジャンプして中へ入ると広がる別世界
マーメイド・ケーブ があるオアフ島西海岸(ナナクリ周辺)は、ハワイの自然が残るエリアで、オアフ島の中心部とは違う雰囲気を楽しみたい方には魅力的ですが、治安面で注意が必要な地域でもあります。車上荒らしや置き引き、観光客を狙った貴重品の盗難などが発生していますので、注意が必要です。「ちょっとなら大丈夫だろう」と油断せず、車内には絶対に貴重品を残さない、ビーチで荷物を置いたままにしない(防水バッグなどに入れて肌身離さない)など、持ち物は常に目の届く場所に置くようにすること。また、車のトランクの中の荷物を狙った車上荒らしなどの報告もありますので、最低限の持ち物のみを携帯し、貴重品はそもそも持ち込まない・車に置かないのが基本です。
また、ナナクリ周辺はローカルの生活エリアで、観光地ではないので、大声で騒いだり、無断で個人の敷地に立ち入ったりすると、トラブルに発展することもあります。観光客に対してあまりフレンドリーでない人もいるため、控えめな行動を心がけましょう。知る人ぞ知る「ローカルスポット」だったマーメイド・ケーブ は、ローカル達にとって神聖な自然の一部でもあるため、ゴミを捨てない、岩を傷つけないといった最低限のマナーを守って楽しむようにしてください。
マーメイド・ケーブ を安全に楽しむためには、干潮・満潮のタイミングや季節ごとの波の特徴などをよく理解しておくことも大切です。
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干潮・満潮の時間に注意マーメイド・ケーブ を訪れるのにおすすめなのは、洞窟内が穏やかで、波も比較的静かな干潮時で、写真撮影や洞窟内の探索には最適です。満潮時には、洞窟の奥の方まで波が入り込んでくるので、かなり濡れることを覚悟してください。大波が突然押し寄せることもあり、洞窟内の岩は鋭く、波に押されて転倒すると、ケガを負う危険性もあるので、あまりおすすめしません。 日によって大きく異なる干潮・満潮の時間は、出発前にTide Chartを確認しておくといいかも知れません。
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季節による波の違いにも注意オアフ島の西海岸は、季節によって波の高さや海の状態が大きく変わります。冬のシーズン(10月後半〜3月上旬)この時期は波が非常に高くなることがあり、洞窟内に波が打ち寄せて泳げない日が多くなります。洞窟の見学や撮影は可能ですが、海に入るのは避けた方が無難です。夏のシーズン(5月後半〜9月上旬)この期間は海が穏やかで、干潮・満潮をそれほど気にせず泳げる日が多くなります。撮影にもアクティビティにも最適なシーズンです。
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安全第一!岩場は非常に鋭く滑りやすいため、マリンシューズやしっかりした運動靴を履いて出かけましょう。ライフガードはいないので、危険を感じたらすぐに引き返すようにしてください。また、波の状況が読みにくいので、洞窟内に人が少ない時や、中に誰も入っていない時は、様子を見てから中へ入るようにしてください。
午後の満潮時には海水が満ちてくるので注意が必要です
いかがでしたか?マーメイド・ケーブ は、ハワイの中でもちょっとした“秘境感”と冒険心をくすぐる穴場。その幻想的な風景は、一度訪れたらきっと忘れられない思い出になること間違いなしです。一方、パワフルな自然の力とリスクもある場所なので、しっかり準備をして、マナーを守りながら楽しんでください!

