日本との深いつながり「カカアコ・ウォーターフロント・パーク」

背の高いヤシの木が出迎えてくれる、カカアコ・ウォーターフロント・パークのエントランス。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

倉庫街から、現代的な街へと変身を遂げつつあるカカアコ。高層コンドミニアムや、新しいお店が次々と建てられ、将来的には、高架を走る電車の駅ができる予定です。そんな活気溢れる街の海沿いには、素晴らしい眺めを持つ公園があります。それが、カカアコ・ウォーターフロント・パーク(カカアコ臨海公園)です。

エントランスのサインに向かい、左右にそれぞれ道が伸びています。どちらの道に行こうかな?(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

1992年に完成したこちらの公園。人々がピクニックやパーティー、サーフィンを楽しむだけでなく、美しい写真が撮れるスポットとして、ウェディングフォト撮影なども行われています。そんな素敵な公園は、実は、日本と強い結びつきがあるのです。

それでは、この公園から何が見え、どんなものがあるのか、公園内のあちこちに伸びる道の一つを歩いてみましょう。

小高い丘という地形で、眺望の良さが抜群

大きな木が植えられていないので、空が大きく見渡せます。その分、日陰がないので、日焼け対策は必須。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

公園内の道はしっかりと整備され、サイクリングも楽しめるようになっています。小高い丘のような地形のため、入口からは少し上り坂を歩くことになりますが、高い所から景色を見渡すことができるのが、このパークの特徴の一つ。歩いていくうちに、ワイキキやダウンタウンの「観光スポット」が、少しずつ見えてくるのも面白いところです。

歩くにつれ、左手にダイヤモンドヘッドが見えてきます。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

右手には、ダウンタウンにあるアロハタワーと、ホノルル港も。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

ゆっくり2~3分歩いたところで、「丘」の上に到着します。連なるヤシの木と海が見えてきて、上空には、近くの空港から飛び立ったばかりの飛行機の姿も見られます。

写真中央には、飛び立ったばかりの飛行機の姿が。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

さらに海の方に向かってみると、大空と美しい海が織り成す、青のグラデーションが目の前に広がります!

この場所から見る夕日も、圧巻の美しさ。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

砂浜はありませんが、沖にはサーフスポットがあり、地元の人々がサーフィンを楽しんだり、また、釣りをするために人々が集まったりするスポットでもあります。

公園各所に設置されたテーブル。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

公園内各所に、ピクニック用テーブルが設置されています。それぞれ「ピクニックエリア4」などと数字がふられているので、テーブルでお友達と待ち合わせをするにも便利。また、テーブルの間が離れているので、お隣のグループを気にせずにピクニックを楽しめそうです。

「えひめ丸」慰霊碑が置かれた公園

「えひめ丸」慰霊碑。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

2001年2月9日(ハワイ時間)、この公園から見て、斜め左前方の沖で、愛媛県宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」が、急浮上してきたアメリカ海軍の原子力潜水艦に衝突されて沈没し、乗員35名のうち、高校生4名を含む9名が犠牲になるという大変な事故が発生しました。

「えひめ丸」が眠る海と慰霊碑。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

事故があった日から1年となる2002年に2月9日に除幕式が行われた慰霊碑では、(コロナ禍を除き)毎年慰霊式典が行われ、事故から10年となった年には、そばに温州みかんの木が植樹されました。

愛媛県より植樹された3本の温州みかんの木。(写真: Hawaii Historic Tour LLC)

この事故をきっかけに、ホノルル市と宇和島市は、姉妹都市提携が結ばれました。カカアコ・ウォーターフロント・パークはこれからも、日本との結びつきを象徴するような公園として、大切にされていくことでしょう。

ABOUT WRITER
さゆり ロバーツ

東京生まれ。英会話講師を経て、2006年より「ワイキキ・ダウンタウン歴史街道ツアー」の主宰者、および、ハワイ州観光局公認講師として、ツアーや講演活動等を行う。テレビやラジオ、雑誌等、メディア出演多数。趣味は旅行とカフェ巡り。