知る人ぞ知る穴場スポット!マクア・ケーブで感じるハワイの神秘

オアフ島の西海岸、ワイアナエ山脈のふもとにひっそりと佇むマクア・ケーブ(Makua Cave)は、海を見下ろす断崖沿いに位置する洞窟で、たまには静かな場所でハワイの大自然をじっくり味わいたいーそんな気分になったらおすすめのスポット。今回は自然の造形美とハワイの伝説が交差する特別な場所をご紹介します。

1)アクセス

マクア・ケーブに行くには、ワイアナエの町を越えてファーリントン・ハイウェイを北へ進みます。海岸線沿いにドライブする道中は、ハワイらしい青い海と険しい山並みが広がり、思わず車を停めたくなる絶景ばかり。

①車でのアクセス(ワイキキから約1時間半)

ワイキキから H-1WEST フリーウェイをカポレイ方面へ→フリーウェイが自動的に ファーリントン・ハイウェイ(Farrington Highway)へと繋がるので、西海岸沿いをワイアナエ方面に北上します。→マクア・ビーチ(Makua Beach) を過ぎると右手に洞窟入口が見えてきます。駐車スペースは道路脇に限られ、数台分しかないのでご注意を

②バス利用の場合(片道約2時間半)

C Line(Country Express)または、E Line(Express)でワイアナエ(Waianae) 方面へ向かい、 ワイアナエ(Waianae) のバスターミナルで93番(Express)または40番(Honolulu-Makaha) に乗り換え、マクア・ビーチ(Makua Beach) 周辺で下車したら、バス停から徒歩約10分で到着です。

The Busでの移動は、運行している数が少なく、長距離移動になるためあまりおすすめではありませんが、もしバスで行かれる場合はThe Busのウェブサイトなどで事前にしっかりスケジュールを確認してからお出かけください。

道路脇からすぐのところにある洞窟の入口

2)マクア・ケーブって、どんなところ?

地元ではカネアナ・ケーブ(Kaneana Cave)とも呼ばれるこの洞窟は、比較的観光客の姿も少なく、海と山を同時に感じられる特別な場所です。洞窟の入口は道路のすぐ横にありますが、中に入るには傾斜のある岩場を登る必要があるので、動きやすい服装で、滑りにくいスニーカーやトレッキングシューズがおすすめ。道なき道を進むので、ビーチサンダルは絶対にNG!洞窟に辿り着くまで日陰になる所がないので、しっかり日焼け対策をして行ってください。帽子、サンスクリーン、飲料水などもお忘れなく。

傾斜がきつくハイキング難易度は高め

ハイキング途中で見える西海岸の眺めは絶景で、ハワイの大自然を満喫できます。辿り着いた洞窟の中は想像以上に広く、天井も高め。中はひんやりしていて、外の強い日差しから少し避難できる心地よさもあります。そして何より感動するのが、洞窟の口から見える景色!青い海と空、そしてワイアナエ山脈が一枚の絵のように広がる景色は映えスポットとして人気です。

ワイアナエ山脈

3)マクア・ケーブにまつわる神話

マクア・ケーブには、2つの有名な伝承があります。

ひとつめは、洞窟の名前カネアナにも由来する、ハワイ神話のカネ(Kane)にまつわる物語。カネは生命の神、水の神として知られ、この洞窟は彼が創造した世界の一部であり、海と陸、そして“あの世”をつなぐ入り口で、神々や精霊が行き来する通路だったと伝えられています。ネイティブ・ハワイアン達は、この場所をポハク・カプ(神聖な岩)として敬い、洞窟に入る前には祈りを捧げ、無礼な振る舞いを避けたといいます。

もうひとつは、人食い半神ナナウエ(Nanaue)の物語で、この洞窟は半神半人のサメ人間ナナウエの住処とされています。ナナウエは海神カモホアリイ(Kamohali‘i)と人間の女性との間に生まれ、普段は人間の姿をしているものの、背中にはサメの口があり、人を襲って食べてしまうとされました。彼は海と陸を行き来しながら人々を海へ誘い込み、そこで襲ったと伝えられます。最終的に村人たちに正体を見破られ、戦いの末に追い詰められたのが、このマクア・ケーブ(カネアナ・ケーブ)だったと言われています。今でも夜になると、ナナウエや精霊たちが戻ってくると信じられ、地元の人達は日没後にこの洞窟に近づくことを避けています。

洞窟内から見える海、空、緑のコントラストが最高

4)周辺の観光スポットと注意点

マクア・ケーブ周辺にはマクア・ビーチやカエナ・ポイントといった美しいスポットがあります。マクア・ビーチは透明度が高く、冬場は波が大きくなるため上級サーファーに人気ですが、夏は穏やかでシュノーケリングにもぴったり。カエナ・ポイントまではハイキングコースがあり、野鳥やハワイアン・モンクシールに出会えるチャンスもあります。

訪れる際の注意点としては、必ず日中の明るい時間に訪れること。夜間や悪天候時は危険ですし、伝承では夜は霊的な存在が戻ってくるとも言われています。また、周辺にはコンビニやレストランがないので、飲み物や軽食は事前に用意していきましょう。

草木の茂る場所もあるので、切り傷などにも注意

マクアケーブは、ワイキキのような賑やかさとは無縁の静けさに包まれています。自然の中で深呼吸をしたい人、ちょっとディープなハワイを感じたい人にはぴったりのスポット。海風に吹かれながら、ハワイの神話と絶景を同時に楽しむ――そんな贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

ABOUT WRITER
SoMa

2001年よりハワイ在住。Island Style Everydayをテーマに東京を中心にハワイ系イベント出店や、パーソナルショッパーとしても活躍中。インスタグラムでハワイからの投稿が人気。