オアフ島南海岸を一望!登山前に知っておきたいダイヤモンドヘッド基礎知識

ハワイで最も有名なランドマークとも言えるダイヤモンドヘッド。ワイキキの東に位置し、年間およそ100万人もの人々が訪れる有名な観光スポットです。その歴史や自然など、事前に知ってから見たり訪れたりすると、さらに興味が湧いてくるかもしれません。新たに必要となった予約システムも含め、詳しくご紹介します。

ダイヤモンドヘッドは、どうやって出来た?

ハワイの島々は全て、現在ハワイ島の下にある「ホットスポット」と呼ばれる溶岩の吹き出し口のある場所で生まれています。オアフ島自体も、200万~400万年前にこのホットスポットで形成されたとされており、海底プレートの動きに乗って北西に移動し、現在の場所に到達しています。

上空から見たダイヤモンドヘッド。写真:筆者提供。

ダイヤモンドヘッドは、オアフ島の下にあった溶岩に海水が触れたことによる、爆発的な水蒸気の噴出によって、およそ10万~15万年前(研究者によっては30~50万年前)にできたと言われています。この時に吹き出された噴出物が地上に降りてくる際に、北東から吹きつける貿易風によって、風下の南西側に集まって固まったため、ワイキキの街に面する方が少し高くなっています。

名前の由来

ダイヤモンドヘッドの全形を、その裾野に広がるカピオラニ・パークから見ることができます。

ベンチに座って、ダイヤモンドヘッドをじっくり眺めることも。

「ダイヤモンドヘッド」という名は、1800年代にハワイを訪れたイギリス人水兵が、表面に見えた石をダイヤモンドだと思い込んだことから、そう呼ばれるようになったとされていますが(実際は炭酸カルシウムからできた方解石)、それ以前からハワイアンが呼んでいた名は「レーアヒ(Lēʻahi)」。

マグロの額(ひたい)という意味 (アヒ=マグロ、ラエ=額、ラエが後にレーに変化) で、頂上部分が、ハワイ近海で獲れるキハダマグロの、背びれから額に似ているところから、このように呼ばれるように。レーアヒと呼ばれていた時代は、ヘイアウ(神殿にあたる建物)が少なくとも4つあり、ハワイアンにとって、宗教上、大切な場所とされていました。

ちなみに、曲名としても有名な「カイマナヒラ」という呼び名もあります。これはダイヤモンドヘッドのハワイ語訳(カイマナ=ダイヤモンド、ヒラ=丘)になります。

季節による色の変化

10月から3月頃の雨季と、4月から9月頃の乾季では、雨量の違いにより、ダイヤモンドヘッドの表面の色が変わります。

緑に覆われた雨季の姿。

雨季は植物によって緑に覆われますが、乾季は植物が枯れ、茶色くなります。

植物が枯れて茶色くなった乾季の姿。

軍の施設だったダイヤモンドヘッド

ハワイ王国時代は王族が所有していたダイヤモンドヘッドですが、アメリカに併合された後、1900年代初頭から1955年まで、アメリカ陸軍が太平洋の監視を含め、軍事施設として使っていました。現在使われている登山道も軍により1908年に造られ、1911年に完成したものです。1968年にダイヤモンドヘッドは国定記念自然物に指定され、その記念碑がカピオラニ・パーク内に設置されています。

1968年に国定記念自然物となったことを記した碑。

ダイヤモンドヘッド、登山道 基本情報

[正式名称] ダイヤモンドヘッド州立記念碑 (Diamond Head State Monument)
[高さ] 約232m (60階建てのビルと同じ位)
[クレーター直径] 約1060m

登山道

[名称] ダイヤモンドヘッド・サミット・トレイル
[長さ] 入り口から頂上まで片道1.3㎞、全長2.4㎞
[標高差] 170m
[往復所要時間] およそ1時間~1.5時間

  • 入り口から300m程は舗装されていますが、その先は未舗装で道が細くなります。
  • 2か所に階段あり。迂回路を選択することも可。
ダイヤモンドヘッド登山には予約が必要

ダイヤモンドヘッドの混雑緩和と自然保護のため、2022年5月より、登山の際には予約が必要*となっています。予定している登山日の30日前から予約可能です。

[開門時間] 12/25と1/1を除く、午前6時~午後6時
最終入場時刻は午後4時。午後6時に閉門。

[入場料] $5 3歳以下無料
[駐車料金] 1台につき$10

* ハワイ州在住者は予約不要。州発行のIDを提示することで、入場料・駐車料金も無料。州外在住者が同行する場合(駐車場使用の場合)は、その人の分の予約、および、入場料と駐車料金の支払いが必要です。

予約の方法

専用の予約ページから、オンライン予約を行います。

予約ページ

https://gostateparks.hawaii.gov/diamondhead

表示・入力は英語になり、入力にも時間制限が設けられています。画面右上に残り時間が表示されますので、その時間内に入力を終えられるよう、事前に準備しておくと安心です。

画面①

Ticket Type(チケットタイプ): ①入場&パーキング ②入場のみ どちらかを選択
Booking Date(予約希望日): カレンダーから選択
# of entries(人数): 人数を選択

以上を入力すると、予約可能な時間帯が表示されます。希望時間帯をクリックします。

画面②

予約の詳細と料金が表示されます。

Enter customer details(予約者情報の入力)をクリックします。

画面③

Customer details(予約者情報) 予約代表者の情報を入力します。

  1. 氏名(ファーストネーム・ラストネーム)
  2. Eメールアドレス
  3. 確認のためEメールアドレスを再入力
  4. 国、住所
  5. 電話番号

入力終了後、Continueをクリックします。

画面④

クレジットカード情報を入力します。

画面⑤

“Your order has been successfully processed!”という文と、QRコード、入力した予約者情報が載った画面が出たら、予約が無事に完了です。入場の際には、このQRコードの提示が必要となります。

・予約日の3日前までのキャンセルは返金可。予約の変更は前日の夜12時まで可。それぞれキャンセル料($5)とサービスフィーが請求されます。

ダイヤモンドヘッドへの行き方

バスを降りる際や駐車場に向かう際の目印となる看板。

ワイキキ中心部を起点とした、ダイヤモンドヘッド登山道入り口までの行き方です。

① 市バス(The Bus)

クヒオ通り、海側のバス停より23番に乗車。「Diamond Head Rd&18th Ave」にて下車。

乗車時間: 約16分
運賃: 片道$3、一日乗車券 (乗り降り自由) $7.50

バス停から登山道入り口まで、徒歩20分程。
帰りの際は、降りたバス停の反対側にて23番に乗車。

注意点: 早朝や夕方以降の暗い時間に、バス停で1~2人のみで待つことは危険な場合があります。バスを利用する際は、利用者が多い明るい時間帯をおすすめします。

② トロリー

<ワイキキトロリー・グリーンライン>
ワイキキ・ショッピング・プラザの停留所より乗車 (始発は8:00am)、「ダイヤモンドヘッド・クレーター・ハイク」にて下車。

乗車時間: 約25分
運賃(1日グリーンライン乗り放題): 大人$30、子供(3~11歳)$20

JTBが運行する「HiBus」も、ダイヤモンドヘッド行きが運行しています。

③ タクシー、配車サービス(ウーバー、リフト)

タクシーは、ホテルのベルデスクにて呼んでもらえます。

乗車時間: 約10分
運賃: $20前後 + チップ

④ レンタカー

カラカウア通り→ モンサラット通り・ダイヤモンドヘッド通り(途中で名前が変わります)の順で走り、右手に看板が見えたところで右折。

道なりに進み、トンネルを抜け、クレーター内のパーキングに車を停めます。

⑤ オプショナルツアー

旅行会社によるオプショナルツアーとして、ダイヤモンドヘッドへの送迎と入場手続き、さらに、登山後の食事などがセットになったプランが販売されています。

登山にあたって
  • 予約した際に送られてきたQRコードを、入場の際に提示します。
  • 登山道入り口に、ビジターセンター、売店、トイレ、休憩エリアがあります。
  • しっかりと足を守る靴を履き、動きやすい服装で。
  • 日焼け止めクリームや帽子、サングラスなどで、日焼け対策を。
  • 登山中、水分補給は忘れずに。登山前に、売店で飲み物を買うこともできます。

展望台から南海岸が一望できます。

頂上からは、広い太平洋とオアフ島の南海岸が一望!ビーチやパーク、ホテルの窓からも見える、その姿の美しさに加え、登山後の壮大な景色でも感動を与えてくれるダイヤモンドヘッド。ぜひご自身で、その感動を味わってみてください。

写真: 全て筆者提供。Hawaii Historic Tour LLC所有。

この記事のキーワード「ダイヤモンドヘッド,登山,ワイキキ」に関連するユーザからの投稿
ABOUT WRITER
さゆり ロバーツ

東京生まれ。英会話講師を経て、2006年より「ワイキキ・ダウンタウン歴史街道ツアー」の主宰者、および、ハワイ州観光局公認講師として、ツアーや講演活動等を行う。テレビやラジオ、雑誌等、メディア出演多数。趣味は旅行とカフェ巡り。