完成までに約100年!ステンドグラスが有名な教会「セント・アンドリュース大聖堂」

ステンドグラスが圧巻!セント・アンドリュース大聖堂

ハワイアンウェディングを行う教会の中でも群を抜いて人気なのが、セント・アンドリューズ大聖堂。人気の秘密は何と言っても大聖堂内の至るところに施された圧巻のステンドグラス。こちらの教会は、完成までになんとおよそ100年を要したという、まるでハワイのサクラダファミリアなのです(こちらはすでに完成しているけれど...)。今回はこちらの教会とその近辺に点在する「Hawaii Capital Historic District (ハワイ州都歴史地区)」と呼ばれアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている区域をご紹介したいと思います。

完成までに約100年!建設費はすべて民間の寄付によるもの

セント・アンドリュース大聖堂は、ハワイ王室との深い関わりを持つ由緒正しい教会。建設が始まったのは1867年。カメハメハ5世の治世のこと。そして最終的に現在の大聖堂が完成するまでは、およそ100年という月日がかかっています。

大聖堂の中に入ると、大きな石柱が立っていますが、正面から1つ目の石柱までの広さが1886年最初に完成した聖堂。そこから順に石柱ごとに増築がなされていったのです。それぞれ石柱にはひとつひとつ違った彫刻が施され、その美しさに目を奪われます。

また、こちらの大聖堂は、宗派にこだわらず、団体や企業により建設されたのではなく、100%民間からの寄付により建てられた、というのも大きな特徴です。

さらに外壁は、ハワイでは希少な総石造りのフレンチゴシック様式になっています。

聖堂内には太陽の光加減で様々な表情を見せるステンドグラスが

外側から見る大聖堂は総石造りで落ち着いた雰囲気を醸し出していますが、一歩中へ入ると吹き抜けで広々とした別世界が広がります。祭壇側を見ると真っ白で、すぅっと背筋が伸びるような厳粛な雰囲気。

そして反対のエントランス側を見ると真正面に大きなステンドグラスからキリストの姿が浮かび上がっています。ハワイの太陽を背に受けて青や赤、黄色…と眼を見張る鮮やかな色あいが浮かび上がり、まさに圧巻!

ステンドグラスをよーく見てみるとキリストの誕生から始まり、カメハメハ4世とクイーン・エマ、この教会で洗礼を受ける直前に4歳で亡くなったアルバート王子の姿も見つけられます。

美しいステンドグラスの中にハワイらしいキリストの姿が描かれているのに気が付きましたか?それがこちらのサーフィンをしているキリスト様です。

他にもうひとつ、ハワイならでは…のものがこちら!ターマイト(シロアリ)までステンドグラスの中に描かれているんです。最初に建設された教会は床や壁などが木でできていたため、シロアリの被害に悩まされていたのだそう。そんな悩みのタネだったシロアリさえもステンドグラスに描くというウィットに飛んだ世界観が個人的にとても好き。

エントランスにあるステンドグラスは有名なので多くの方がご存知かと思われますが、38枚ある窓枠すべてもステンドグラスなんです。ひとつひとつにストーリーがあるので38枚すべてをゆっくり鑑賞するというのもおすすめです。

誰でもウェルカムなセント・アンドリュース大聖堂

以前はいつでも自由に内覧できたようですが、今(2023年5月現在)は毎週水曜日の午前9時から15時までは誰でも自由に入ることができます。大聖堂内にはボランティアの人がいて、大聖堂の説明や歴史を詳しく教えてくださるので、興味ある方はぜひお話を伺ってみてくださいね。

大聖堂の周りは「ハワイ州都歴史地区」ホロホロ歩きしてみよう

大聖堂のすぐ近くのダウンタウンの一角にあるのが「Hawaii Capital Historic District (ハワイ州都歴史地区)」。ここはアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている特別なエリアになります。コンパクトにまとまったこのエリアは、レトロな建物が立ち並び、ワイキキのリゾートエリアとはまるで違う雰囲気なので、ハワイにいながらにして違う国に来たような気分になれますよ。

有名なカメハメハ大王像をはじめ、1882年、ハワイ王国7代目のカラカウア王によって建てられた王族の公邸「イオラニ宮殿」など、ハワイの王政を築いた歴史的建造物が立ち並んでおり、ヒストリー好きな人にはたまらないお散歩タイムが過ごせることでしょう。

こちらはハワイ州立美術館。公立の美術館なので、入場は無料です。美術館は歴史的建造物である「ナンバーワン・キャピトル・ディストリクト・ビルディング」の1階と2階にあります。鑑賞できるのはハワイの現代アート。そして、この美術館の中で有名なのが中庭にあるプール。ぱっと見は本物のプールそのものですが、実は水は入っていなくて、水に見えるのはすべてガラスなんです。写真スポットとしても人気ですので、映えショットをぜひ!

一時ハワイ州知事公邸として使われ、今では博物館として公開されている「ワシントン・プレイス」。ここは、リリウオカラニ女王の夫ジョン・ドミニスの実家だった場所で、ハワイ王朝最後の女王であるリリウオカラニの終の棲家。1917年に死去するまでリリウオカラニ女王が暮らした場所でもあります。

いかがでしたか?ハワイには何度も来ているけれどダウンタウンには行ったことがない、という方が多いのではないでしょうか?次回のハワイではダウンタウンで新しいハワイを発見してみませんか。

ABOUT WRITER
yukarinn808

1996年よりハワイ在住、2005年より編集・ライター業務を行うシングルマザー。ハワイとハワイの人たちをこよなく愛し、スリフトショップでのお宝探しとハワイ生活のあれこれをブログに書くことが趣味のフリーランス・ライター。