運転士気分を満喫!オアフ島の新公共交通機関「スカイライン」に乗ってみよう!

2023年6月30日、オアフ島の新公共交通機関「スカイライン」が開通しました。高架を走る電車で、米国初となる、運転士が乗車しない完全自動運転。先頭車両には、運転士気分を味わえる席もあります。また、高架を走ることで遠くまで見渡すことができ、ハワイの素敵な眺めが目の前に!それでは、スカイラインの乗り方を詳しく見てみましょう。

太線が開通した部分。点線は今後開通予定で、右端が「アラモアナ・センター」の場所。

今回開通したのは、オアフ島西部の街「カポレイ」から、アロハスタジアム前までの9駅分。その東側にある空港を含む4駅が、2025年に開通予定です。さらに東に向けて、ダウンタウンを通り、コンドミニアムが立ち並ぶカカアコ地区まで2031年を目途に開通し、将来的には、ハワイ最大のモール「アラモアナ・センター」まで電車を通す計画が立てられています。

それでは、今回開通した部分の東の端、「Hālawa(ハーラヴァ/アロハスタジアム)駅」へと参りましょう。ネット上では「ハラワ駅」と日本語で記載しているものが多いですが、ハワイ語の実際の発音はハーラヴァになります。(以下「アロハスタジアム駅」)

アロハスタジアムのすぐ近くに建てられた駅舎の前には、市バスのThe Busが停まります。ワイキキからは、20番のバスに乗って約1時間30分で到着。車を使う場合は、無料の駐車スペースが600台分用意されていますので、そちらに駐車することができます。

駅から見た駅前の様子。左奥にアロハスタジアム、道を渡った所にバス停、その奥に600台分の無料駐車場が見えます。

それでは、駅構内に入りましょう。

駅名が書かれたゲートを通ると、左右に、乗車に必要なHOLOカードの販売機があります。

乗車にはHOLOカードが必要

HOLOカードは、市バスのThe Busでも使用でき、スーパーマーケットのFoodlandや、ワイキキにあるコンビニ、ABCストアなどでも手に入れることができます。駅でHOLOカードを買う時は、「FARES」と書かれた販売機で購入します。

最初の画面で、言語を選ぶことができます。画面はタッチスクリーンではありませんので、日本語の場合は8番のボタンを押し、画面の指示に従って手続きします。

バスと電車が、一日乗り放題となる「ワンデー・パス」を希望する場合は、カードの代金$2とパスの代金$7.50を合わせて、$9.50をクレジットカードで支払います。

HOLOカードについて詳しくは、こちらをご覧ください。

https://www.holocard.net/ja/ (日本語)

改札を通ってみよう

改札は、このようになっています。

HOLOカードをかざす場所があるので、そちらにカードを近づけると、目の前のガラスのドアが開きます。構内は非常にシンプルな造り。改札を通ったところからは、このように見えます。

右側の階段を上がれば東方面行き、左は西方面行きの乗り場となります。道路脇に、高架を支える柱が何百本も並んでいますが、駅周辺の柱には、アートが施されていますので、ぜひ近づいて見てみてください。

エスカレーターは上りのみとなります。大き目のエレベーターもあります。

ホームに立つと、このように見えます。

電車が到着してドアが開くのと同じタイミングで、ホームに設置されたドアも開くようになっています。ドアが開いてから閉まるまで、20秒~30秒間。焦らずに出入りしましょう。もし目の前でドアが閉まっても、10分間隔で電車はやってきます。

それでは、実際に乗車してみましょう。現在のところ、アロハスタジアム駅から東には駅がないので、西方面行きのホームから電車に乗ります。

先頭車両から見る景色は…

運転士がいない完全自動運転なので、車両の先端まで行くことができます。そこにはまるで、特等席のような席が設けられています。

電車好きの方には、たまらないですね!

アロハスタジアム駅から西の終着駅「Kualaka‘i(クアラカイ/イースト・カポレイ)駅」(以下「イースト・カポレイ駅」)までは、約21分の乗車時間。先頭車両から前方が見える席に座ると、線路が意外にもクネクネしている様子が見えたり、緑豊かなエリアを走っていたと思ったら、間もなく、オアフ西部の乾いた山肌が見えたりと、オアフ島にも様々な顔があることが分かります。

駅が近づいてきました!

終着駅のイースト・カポレイ駅周辺には、まだ主だった建物はありませんので、そこで折り返し、東方面に向かって6駅目の「Waiawa(ワイアヴァ/パールハイランズ)駅」で降りて、食事やショッピングを楽しむのも、いいかもしれません。駅の目の前に、パールハイランズ・センターがあり、そちらには、観光客の方々にも人気のレストラン「リリハ・ベーカリー」をはじめ、サンドイッチやステーキなど、食事が楽しめる場所がたくさんあります。

パールハイランズ・センター (公式ウェブサイト)

車内の様子

車内は二人掛けのシートが両サイドに並んでいます。また、横向きに、折りたたんだ状態のシートが設置されていて、そこは車いすを利用される方が使えるスペースになっています。

一部の席の上には、荷物を置けるラックが設置されています。

また、自転車用のラックもあり、ストローラー(ベビーカー)も持ち込めます。

乗車を助ける係の方が車内に

完全無人運転とはいえ、乗車中の手助けやパトロールをする係の方が乗車しています。パンフレットを手渡してくれるので、ぜひ受け取っておきましょう。

西の終着駅から、東の終着駅に向かう際は…

「イースト・カポレイ駅」から、出発地点の「アロハスタジアム駅」方面に戻る際は、進行方向を向いて、右側の席に座るのがオススメです。

広大な畑の向こうに、ワイキキの街並みとダイヤモンドヘッドが見えます!海側を見ながら進む形になるので、パールハーバーも高架から眺めることに。

オアフ島南海岸の見どころを、涼しい車内から見渡すことができて、片道約21分という乗車時間が、とても短く感じます。

市民の足として毎日使われるようになるには、まだ少し時間がかかりそうな印象でしたが、高い所から、素晴らしい景色を眺めながらのライドは、観光客の方々にとっても、新たなアトラクションのように楽しんでいただけそうです!

ABOUT WRITER
さゆり ロバーツ

東京生まれ。英会話講師を経て、2006年より「ワイキキ・ダウンタウン歴史街道ツアー」の主宰者、および、ハワイ州観光局公認講師として、ツアーや講演活動等を行う。テレビやラジオ、雑誌等、メディア出演多数。趣味は旅行とカフェ巡り。