ユネスコの世界遺産にも登録されている京都・宇治にある平等院鳳凰堂のレプリカがオアフ島にあるのをご存知でしょうか?欧米では「ZEN」というフレーズが人気で、落ち着いた雰囲気(Calm)という、「ZEN」言葉の由来である日本の「禅」と通じるような意味で使われることもあれば、イケてる(Cool)という時に使うこともあるのですが、そんな「ZEN」なここ平等院テンプルはサークル・アイランド(オアフ島周遊)ツアーにも含まれる人気のスポット。小雨の降る冬のハワイらしい(?)天候のなか、カネオヘまで足を伸ばしてきました!
有名なカネオヘのサンドバー近くにある平等院テンプルまでは、ワイキキから車で45分程。The Bus(ザ・バス)を使う場合は、乗り換えが必要で片道約2時間かかります。レンタカーでノースショアへ行く途中などに立ち寄るのがオススメですが、バスで行く場合のルートも参考までに載せておきます。
<例>ワイキキ(Kuhio Ave.+ Seaside Ave. クヒオ+シーサイド・アベニュー)を出発
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E番「 CountryExpress! EWA BEACH 」もしくは、20番「 Halawa Station Via Airport-Arizona Mem. 」に乗車>>「 Ala Moana Bl + Queen St 」で下車
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65番「 Kaneohe - Ahuimanu 」に乗り換え>> Hui IWA St + Hui Alaiaha Pl 」で下車
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コオラウ・センターの角にあるマクドナルドまで戻って、信号を渡るとバレー・オブ・ザ・テンプルズ・メモリアルパーク(Valley of the Temples Memorial Park)という墓地の入口になり、そこからさらに奥まで10分程歩くと平等院テンプルへと到着
目印はこのマクドナルド
ワイキキからカネオヘまでは、リケリケハイウェイ(Likelike Hwy)をドライブ。トンネルを抜けてカネオヘ湾を眺めながら、カヘキリハイウェイ(Kahekili Hwy)へと進みます。コオラウセンターのマクドナルドが右手にある交差点を左折してバレー・オブ・ザ・テンプルズ・メモリアルパーク(Valley of the Temples Memorial Park)へ。
民間の公園墓地「バレー・オブ・ザ・テンプルズ」
このゲートは墓地への入口なのでここでの入場料の支払いは不要
ヤシの木の並木道に沿って広がる約240エーカーもの広大な墓地
敷地内には様々な宗教の墓地があり、十字架が掲げられたキリスト教形式のお墓や、ハワイ日系移民の日本式のお墓などがあります。「ハカガーデン」と名付けられた日本式墓地のすぐそばに平等院テンプルが建っています。埋葬されている方々や、そのご家族へ敬意を払う意味でも、ここを来訪する際には節度のある服装(できるだけ肌の露出の少ない格好→極端に短いショートパンツは避ける・水着の上からはTシャツを羽織るなど)を心掛けるよう推奨されています。
パーキング奥の入口で入場料を払って入場!料金はクレジット決済のみ(現金不可)
- 大人(13-64歳)5ドル
- 子供(2-12歳)2ドル
- シニア(65歳以上・年齢のわかるID提示が必要)4ドル
ハワイの平等院テンプルは、ハワイへの移民が始まった1868年(明治元年)から100周年を記念して1968年6月7日に建立されました。この平等院テンプルは、特定の宗教を祀ったものではなく、全ての宗派の人たちが祈り、瞑想やリラックスする目的で作られたものでそうです。
京都・宇治にある平等院鳳凰堂と比べると3分の1ほどの大きさで、背景のコオラウ山脈が厳かな雰囲気を醸し出しています。
入って正面にある平等院テンプルの案内図
入口から橋を渡って、池の左手に向かって歩いていくと見えてくる鐘つき堂の中には高さ5フィート(約153cm)重さは3トンもの大きな梵鐘があり、この鐘をつくとカップルは幸せになれるという言い伝えがあるそう。
境内には常にボーンと鐘の音が響き渡り、気分はまるで京都にいるよう
本堂の裏手にはメディテーション・パビリオン(瞑想用の東屋)が
噴水のある池を眺めながらいよいよ本堂の中へ
本堂は土足厳禁です。
入口で靴を脱いで階段を数段上がると、金箔で覆われた9フィート(約3m)という大きな阿弥陀如来像が鎮座しています。布教活動を行わず、特定の宗派に属さないこの建物内の壁には、建立に賛同した諸宗派のシンボルマークが飾られています。仏教や教派神道の宗派の紋のほか、キリスト教の十字架も掲げられていて、様々な移民文化が融合しているハワイらしい風景です。
本堂の中から見た正面の池と石庭
有名な京都の造園師である佐野藤右衛門が設計したという日本庭園には竹林もあり、2エーカー(8,000 m²)もの大きな池にはたくさんの錦鯉や、黒鳥が泳いでいたり、園内にはなんと野生の孔雀も生息しています。
鯉にあげることのできるのは、売店で販売している餌のみ
その昔、ハワイにはたくさんの日本人が入植し、プランテーションで過酷な労働を強いられていました。今でもハワイを訪れる日本人観光客を暖かく迎え入れてくれる背景には、当時の日系移民達による日本文化継承への努力があることは間違いありません。そんな歴史を感じる時間を過ごさせてくれる平等院テンプルに、一度足を運んでみてはいかがでしょう?