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「ハワイに来る人たちに知ってほしい!」(シリーズ第一弾)海外旅行傷害保険がなければどうなるの?

ハワイで「聖ルカクリニック」を開業して25年の小林 恵一院長に、「ハワイに来る人たちに知ってほしい!」というテーマで、ハワイに来てから不愉快な思いをしないために、特に医療の分野からアドバイスをしていただきました。

第一回目のテーマは「海外旅行傷害保険がなければどうなるの?」です。

誰もが予想できない旅行中の怪我や急な発病。もし海外旅行傷害保険に入っていなければ、莫大な治療費が請求されてしまいます。病状によっては何百万円単位の請求となることも。保険に加入していれば、現地でアシスタントを受けられる上に、治療費もキャッシュレス。でも、多くの人は海外旅行に出かけて、何か自分の身に不幸が起きるなんて想像しないし、したくないもの。そんな「海外旅行傷害保険って、入らないとダメ?」と悩んでいる人のために、保険がなければどんなことが起こるのか、小林院長に教えていただきました。

海外の旅先で病気になることって、実際どれくらいあるのですか?

小林院長:観光客の疾病率は約0.5%と言われています。つまり、1000人がハワイ旅行に来れば5人、8000人なら40人がどこかの医療機関にかかることになります。

意外にも多くの人が、旅先で医療機関にかかっているのですね?

小林院長:コロナ以前、ハワイへの日本人観光客の人数は1日約4000人前後でした。つまり約20人が何らかの理由で医者の診察を受けていた計算になります。ハワイの病院で治療をすると高額の費用がかかります。そんなリスクがあっても、「海外旅行傷害保険って、入らないとだめなの?」と迷っている人は結構います。

なぜ、海外旅行傷害保険に入らずに旅行に来てしまうのでしょう?

小林院長:保険に入らないで旅行に来る人のパターンは、以下のとおりです。

  1. クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険があるから、大丈夫だと思う人。
  2. 医療そのものを信じていない人。
  3. 金持ちすぎて、少々の出費をなんとも思わない人。
  4. うっかり入るのを忘れた人。
それではこのような人たちが、急な病気やケガで治療が必要になった時、保険に加入していない場合は、どんなことが起こるのでしょうか。

小林院長:例えば、盲腸の可能性のあるお腹の強い痛みを訴えている患者さんが、救急室(ER:エマージェンシ・ールーム)に来たとしましょう。ここでまず、「あなたの保険は何ですか」と聞かれます。もし、海外旅行傷害保険ではなく、クレジットカードに付帯する海外旅行保険しか持っていない場合は、「目に見えない保険」として考えられるので、「無保険ですね」と言われます。

では、逆に「目に見える保険」って何ですか?

小林院長:「目に見える保険」とは、保険期間が有効な海外旅行傷害保険のことで、その契約書を病院に提出しないと診察してもらいにくくなります。クレジットカードの付帯保険は、あくまでも緊急時の最後の手段として考えてください。クレジットカードに付帯している保険は、「目に見えない保険」として扱われるうえ、病院側との交渉や治療費の一時自己負担など、全て自力でやらなければなりません。

クレジットカードに付いている保険は、保険に入ってないのと同じなのですね。

小林院長:アメリカ(ハワイ)では、治療費を支払う確実な裏付けを提示してこそ初めて、治療・入院ができる流れになっています。日本では無料の救急車による搬送も、ハワイでは有料で400ドル以上かかります。これも海外旅行傷害保険に入っていればカバーされますが、無保険だと自腹です。

クレジットカードに付いている保険の使い道はあるのですか?

小林院長:海外旅行傷害保険でカバーできる金額が、ハワイの医療機関で必要な額より不足している場合だけ、追加でクレジットカードの保険で治療費を払うというように、予備的なものと考えましょう。

海外旅行傷害保険って、想像以上に重要ですね。

小林院長:いくら「自分は大金持ちで支払い能力がある」と訴えても、海外旅行傷害保険に入っていなければ無保険と同じ扱いです。保険にきちんと入って、その契約書(またはコピー)を携帯し、病院に支払い能力の有無を証明する必要があるのです。

扱いが違うのですね。

小林院長:莫大な医療費がかかるので、無保険だとトラブルになりやすい人物だと思われます。もし支払い能力がないと判断されると、その病院ができることは最低限の治療をしてから、患者さんを送り出すこと。診療拒否はしませんが、最低限の治療で返されてしまう可能性があるのです。旅行者には目に見える保険(海外旅行傷害保険)が必要となります。

無保険だと、どれくらいの治療費がかかるのですか。

小林院長:盲腸の手術で約700〜1000万円はかかる可能性があります。入院にもレベルがあり、ハワイの一般の病練での入院では1泊素泊まりで日$6000、ICUなら何も治療なしの一泊素泊まりで、約$20000かかります。ベッドで横になるだけでです。

患者さんも大変ですが、病院も困りますね。

小林院長:例えば、お腹の痛がる患者さんが外来クリニックを訪れたとしましょう。盲腸と診断して、手術のできる病院に患者さんを送ってあげたいのですが、無保険の患者さんだと莫大な治療費がかかることをクリニックも知っています。病院に送れば、手術後にその患者さんが怒って文句を言いに来るかもしれないですし、もし病院に送らなければ、医療過失で訴えられる可能性もあります。つまり「前門の虎、後門の狼」状態です。

わあ、どっちも困りますね。

小林院長:病院にとっても、ある災難を避けたところで別の災難に遭遇するのです。こういった問題のために、病院は無保険の患者さんを受け入れたがりません。病院と患者さんの双方にとって、こういうことが起こらないように、私は正直に無保険のリスクについてお伝えしたいのです。

ハワイ(アメリカ)で生活している人も同じなのですか?

小林院長:ハワイに住む一般の人が加入しているローカルな健康保険は、種類にもよりますが平均一人当たり一か月、約$500かかります。保険料が高すぎるので、アメリカには保険に加入していない人がたくさんいます。「私は保険を持っている人」、「あなたは持っていない人」というように、保険の有無で社会階層ができています。

それは厳しいですね。

小林院長:そうですね。ハワイ在住者が加入しているような高額なローカルの保険に比べて、日本の海外旅行傷害保険は、一般的に安くて手厚いサポートが受けられます。ですから是非とも、海外旅行傷害保険に入ってからハワイに遊びに来てほしいですね。

医療費の高いハワイ。旅行者はハワイ到着前には、必ず保険に入っている必要がありますね。

小林院長:ところが保険会社によっては、ハワイ居住者でない限り、ハワイに滞在しながら海外旅行傷害保険に加入できます。つまり日本出国後に保険に入れるのです。

それはいいですね。

小林院長:海外旅行傷害保険は通常、アメリカに入国する前に加入しますが、到着してからも加入を受け付けてくれる保険会社がいくつかあります。加入すれば、保険の有効期間内であれば、証書のコピーとパスポートのコピーさえ提出すれば、病院では原則サインするだけでキャッシュレスで診療してもらえます。私のクリニックでは、一般的な薬であれば処方も可能ですよ。(特殊な薬の処方などは例外。領収書による後日精算可能)。

小林先生、いろいろと勉強になりました。

小林院長:あまり多くの人が、重要ではないと思っていることや、良くご存じないことを今後も紹介したいと思います。

今回のまとめ
海外旅行傷害保険なしのハワイ旅は危険極まりない!
聖ルカ クリニック ワイキキ
St. Luke's Clinic - Waikiki
緊急医療Urgent Care、及び、PCR検査および検査証明書の発行サービス
(808) 773-7097

ワイキキ・ショッピングプラザ2階(Suite208)
2250 Kalākaua Ave, Honolulu, HI 96815 (Directions)

営業時間
月~金 8時30分~15時30分
土曜日 8時30分~14時00分
日曜日 定休日

※基本、予約制ですが、ウォークインも受け付けています。

聖ルカ クリニック アラモアナ
St. Luke's Clinic - Ala Moana
外来クリニックサービス、緊急医療Urgent Care、及び、PCR検査および検査証明書の発行サービス
(808) 945-3719

アラモアナ・ビルディング20階(Suite2000)
1441 Kapiolani Blvd, Honolulu HI 96814 (Directions)

営業時間
月・火・木・金 8時30分~12時00分
13時00分~15時30分
水・土 8時30分~12時00分
日曜日 定休日

*基本、予約制。

2022年10月13日(木)