行列が絶えないハワイの名店「マツモトシェイブアイス」75年の物語

ノースショア・ハレイワを訪れる人の多くが立ち寄る、行列の絶えない店「マツモトシェイブアイス」。レインボーなど、カラフルなシロップがかかったふわふわの氷は、ハワイを代表するスイーツのひとつとも言われるほど。2026年3月に創業75周年を迎えた人気ショップの歴史と魅力をご紹介します。

すべては75年前、小さな「ゼネラルストア」から始まった

常に多くの人が集い、店の前には行列ができるマツモトシェイブアイスの店内。取材時は75周年記念の風船も飾られていた

オアフ島の人気観光地としても知られる、ノースショア・ハレイワタウン。中でも常に行列ができる店として知られるのが「マツモトシェイブアイス」です。実は先日、創業75周年を迎え、地元ハワイのニュースなどでも大きな話題となりました。

オレンジ色の看板は、ハレイワのランドマーク的存在。

このお店は、1951年にオアフ島ノースショアのハレイワタウンに誕生した「M. Matsumoto Store(エム・マツモトストア)」がその前身。最初は「ゼネラルストア」、いわゆる「何でも屋さん」のような存在だったのだそう。当時はスーパーマーケットなどもあまりなかったので、ハワイに住む日系人たちのために、日本からの味噌や箸などをはじめ、様々な商品を販売していたといいます。

店名は、創業者の名前がマツモト・マモルさんだったことが由来です。

初代オーナーのマツモト・マモルさんとヘレン・モモヨ・マツモト夫妻。若かりし頃の貴重な写真をスタンリーさんが見せてくれた。

「マモルは僕の父なんです。日系二世で、子どもの頃に一旦広島に引き揚げましたが、20歳の時にハワイに戻ってきて働き始めたんですよ。その後、この地域にあった『タナカストア』という店のオーナーから、ビジネスを引き継がないかという提案を受けた。それが今から約75年前のことだったんです」と語ってくれたのは、現オーナーのマツモト・スタンリーさんです。

シェイブアイス誕生のきっかけとは

そこから約5年が経った1956年頃、シェイブアイスの販売を始めました。転機となったのは、前オーナーのタナカさんの一言。「日本のかき氷はきっとハワイで人気が出る。シェイブアイスをやってみたら」と。

マツモトシェイブアイスのスタートを支えた、第一号かき氷マシン。現在も大切に飾られている

タナカさんが日本からかき氷機を持ち込み、それにモーターを付けた電動かき氷機が誕生。現在のショップのスタイルがスタートしました。ちなみにこの第一号のマシンは、今もお店に飾られています。ハレイワで歴史を刻み続けてきたレジェンドかき氷機。機会があったら、ぜひじっくり見てみてくださいね。

カラフルで甘いシロップを最初に手作りしたのは、マモルさんの妻、ヘレン・モモヨさん。スタンリーさんのお母さんです。香料と砂糖をミックスして作る自家製シロップは、マツモトシェイブアイスの味の原点といえるでしょう。

今もなお、当時の製法を守って作られるまんまるのシェイブアイス。ローカルの想い出の味だ

日本のかき氷にルーツを持つこの冷たいスイーツは、暑いハワイの気候にもぴったり。やがて店を訪れる人々の間で評判となり、マツモトストアの名物として知られるようになっていきました。

ちなみに、当初は10種類ほどだったフレーバーは、40種類にも増えているそう。現在フレーバー作りを担うのは、スタンリーさんの奥さまであるノリコさん。家族で大切に、ていねいに受け継がれる自家製シロップの味、これこそ人気の秘密なのです。

ロコはもちろん、多くの観光客に愛されるひんやりスイーツ

ハレイワ・ストア・ロット内の店舗には、いつも多くの人が。目の前の芝生スペースでおしゃべりしながら食べるシェイブアイスは最高!

その後、1960年代に入るとサーフィンブームが到来。アメリカ本土・カリフォルニアからのサーファーたちが、ノースショアに集まり始めます。それまで地元の人たちの街だったハレイワに人が増え、観光客が多く訪れるようになると、シェイブアイスの需要も急増。さらに、アメリカ本土だけでなく、日本をはじめ世界中の旅行者も評判を聞きつけて来店するようになります。

こうしてマツモトシェイブアイスは、この街を代表する人気店へと成長!現在もなお、行列の絶えないハレイワタウンのランドマークとして賑わっているのです。

手前/レインボー・シェイブアイス、奥/ノリコさんおすすめの「巨峰、ゆず、リリコイ」フレーバー(各$3.75)

ちなみに、40種類もあるフレーバーの中で、ローカルに圧倒的な人気を誇るのは「ストロベリー」「バニラ」「バナナ」など、モモヨさんの時代からある懐かしの味。一方、日本人旅行者には、やはりカラフルな「レインボー(赤/ストロベリー、青/パイナップル、黄色/レモン)」のフレーバーが圧倒的な人気なのだそうです。

最近は、自家製シロップに加え、日本から仕入れるシロップもあるそうで、中でもおすすめなのが「巨峰」フレーバーなのだとか。この日は、ノリコさんスペシャルの「巨峰、ゆず、リリコイ」のシェイブアイスを作ってもらったのですが、これがとんでもなく美味しかった!

SNSなどでも映えるレインボーカラー。ぜひ、記念写真を!

フルーティーで甘さ控えめ、後味もすっきり。暑い日のお供に最高です。そして、ころんとした形に鮮やかなシロップがフォトジェニックなのも魅力。シェイブアイスはスモールサイズでも3種のシロップが選べるので、お好みでどうぞ。

オリジナルTシャツはお土産にマスト

ずらりと並んだTシャツは圧巻!サイズもデザインもお好きなものをセレクトして

シェイブアイスだけでなく、もう一つ人気なのがオリジナルグッズです。建物の中にある「ギフトショップ」には、マツモトシェイブアイスのロゴが入ったグッズがずらり。とくにTシャツは、驚くほど多彩なデザインが圧巻です。壁にずらりと飾られたシャツは、メンズ、レディース、そしてキッズやベビー用までサイズ展開もすごい。家族でおそろいにするのもいいし、お土産にまとめ買いするのもおすすめです。

サーフィンをするシェイブアイスが印象的な75周年記念Tシャツ。レアなので、ハワイ旅行の想い出にぜひ!

75周年を記念した特別デザインのTシャツも発見。今年限りの限定とのことなので、ファンにはたまらない一枚になりそうです。

オリジナルTシャツは、サイズ展開の幅が広いのも魅力。漢字で「松本」や「氷」の文字が入っているのも楽しい

メンズの一部デザインには「5XL」なんていうサイズもあってびっくり。「ハワイには大きな人がいるから。お相撲さんも買いに来てくれるから、特大サイズも用意しているんだよ」とスタンリーさん。なるほど、納得です。

ロゴ入りキャップは$18〜とリーズナブル。カラフルなので、身につけるだけで気分が上がりそう!

その他、バッグやキーホルダー、キャップなど、ロゴグッズは本当にたくさんあるので、シェイブアイスを堪能した後もついつい長居してしまいそうです。

ノスタルジックで温かさを感じる、日本のお菓子も並んでいる。アメリカ本土からの旅行者には新しい感覚なのかも

昔懐かしい、日本の駄菓子やスナックを売っているのも日系ストアならでは。ゼネラルストア時代の名残も感じられます。また、ローカル同士サポートしあうことも大切にしていて「メイド・イン・ハワイ」の商品なども多数扱っているので、あわせてチェックしてみてくださいね。

昔の風情を今に残す、通り沿いの看板。こちら側にも入口があり、直接ギフトショップへ立ち寄ることもできる

街の目抜き通り、カメハメハ通りに面した「ハレイワ・ストア・ロッツ内」にあり、アクセスも便利。歴史ある手作りの味を求めて、お店の前には今日も長い行列ができています。

マツモト・スタンリーさん、ノリコさんご夫妻。仲良くお店を切り盛りする、素敵なご夫婦だ

創業から75年。マツモトシェイブアイスは、スタンリーさん、ノリコさん、そして娘のアイさんへと受け継がれながら、これからもハレイワの街で多くの人を笑顔にし続けていくことでしょう。

ABOUT WRITER
Ritsuko Matsumoto

ハワイ在住ライター&エディター。㈱リクルートでの広告制作などを経験後、2000年にハワイへ移住。ハワイ情報誌アロハストリートの編集長を経て独立、旬なハワイ情報を旅行雑誌やウエブサイトに寄稿。趣味はカフェ巡り。