観光客は知らない、西オアフの穴場ダイナー「Kountry Style Kitchen」

知る人ぞ知るエヴァビーチの人気朝食店

ワイキキやカイルアといった有名エリアではなく、ローカルの日常が息づく西オアフ。観光客があまり足を運ばないエヴァビーチの住宅街に、知る人ぞ知る朝食スポットがあります。その名は 「Kountry Style Kitchen (カントリー スタイル キッチン)」。

「えっ、こんなところにレストランが?」と思わず口にしてしまうほど、ひっそりとショッピングセンターの一角に佇む小さなダイナーです。しかし週末の朝ともなれば、地元ファミリーで席が埋まり、外には行列ができるほどの人気ぶり。観光客向けガイドブックにはほとんど載らないのに、ローカルの胃袋をしっかりつかんで離さない――まさに西オアフの“穴場ダイナー”と呼ぶにふさわしい店です。

カウアイから受け継がれた伝統

Kountry Style Kitchen は、実はカウアイ島カパアにある有名店「Kountry Kitchen」の姉妹店。カウアイ本店は1975年創業で、長年にわたり地元の人々と観光客の朝を支えてきました。その味をオアフでも楽しんでもらいたいと、オーナー兄妹が2015年にエヴァビーチにオープンしたのが現在の店舗です。本店の名前に「Style」を加え、独自の色を出しながらも、カウアイらしい家庭的な味わいを大切に守り続けています。

ローカルが愛するボリューム満点メニュー

名物巨大パンケーキ

まず驚くのがパンケーキの大きさ。直径30センチもの巨大サイズは、一枚でお腹いっぱいになる迫力です。トッピングはバナナ、マカダミアナッツ、チョコチップなど種類豊富で、特に「チョコチップ+ベーコン+ココナッツシロップ」の組み合わせは甘じょっぱさがクセになると評判。ローカルのリピーターが多い理由が一口でわかります。

付け合わせのコーンブレッドも絶品

もうひとつ外せないのが自家製コーンブレッド。ほんのり甘く、しっとりとした食感にバターの香りが加わり、一度食べたら忘れられない味。付け合わせとして提供されますが、あまりの美味しさに「これだけをテイクアウトしたい」と追加注文し持ち帰る人もいるほどです。

店員に聞いた人気メニュー
Corned Beef Hash & Eggs

人気No.1メニュー 「Corned Beef Hash & Eggs」

スタッフに「どのメニューが人気?」と尋ねると、真っ先に名前が挙がったのが「コーンビーフハッシュ&エッグス」。実際、一口食べた瞬間に「うわ!おいしい」と叫んだほど。自家製コーンビーフハッシュは、手間ひまかけて作られているのが味から伝わってきます。日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、だからこそここでしか出会えないこの一品をを試してほしいです。

Polynesian Omelette $22.30

個性的なオムレツ「Polynesian Omelette」

7種類あるオムレツはどれも人気とのことでしたが、中でも店員さんが個人的におすすめしてきたのが「ポリネシアンオムレツ」。具材はキムチ、ポルトガルソーセージ、オニオン、アメリカンチーズという、まさにハワイの多文化性を表現したような個性的なオムレツ。ピリ辛と旨味が絶妙に絡み合う一品で、常連客の中にもファンが多い人気メニューなのも納得です。

ライターおすすめメニュー
Patty Melt $19.50

牛肉パティの美味しさに感動

個人的に強くおすすめしたいのが 「パティメルト」。
10年以上前、カウアイ本店で初めて食べたとき、「牛肉のパティが絶品」と感動したのを鮮明に覚えており、その感動を、エヴァビーチの姉妹店で再び味わうことができました。地元牧草牛を使ったパティは、ジューシーで雑味がなく、肉本来の旨味が存分に感じられます。ひと口食べるごとに「これだ!」と笑顔になる満足感。恐らくメニューにあるTraditional Loco Mocoも同じパティを使っていると思います。さらにハワイならではのメニューを試したい場合は、「ロコモコ」にしてみるのも良いですね。

カウアイ島のシンボル「鶏」のインテリア

カウアイ島のシンボルとも言える「鶏」がたくさん

店内はカントリー調で、素朴で温かい雰囲気。オープンから10年を迎え、すっかり地元の生活に溶け込んでいます。特に目を引くのが、あちこちに飾られた鶏のインテリア。カウアイ島に行ったことある方はご存知と思いますが、野生の鶏が島中にたくさんおり、それをシンボルにしているようです。訪れるたびに「一体何羽いるのかな?」と数えてみますが、いつも途中でわからなくなってしまい不明のまま。皆さんもよかったらチャレンジしてみてください。

また、ミリタリー関係者やシニア、ファーストレスポンダーには10%割引があり、地域に寄り添ったサービスも魅力です。

西オアフの「隠れ名店」として

意外なことに、ハワイ在住者でもこの店の存在を知らない人は少なくありません。観光誌やSNSに大きく取り上げられることが少ないためですが、ローカルにとっては「わざわざ通う価値のある店」。特に週末の朝はファミリーでにぎわい、その人気ぶりを肌で感じることができます。

西オアフというと、大型モールやチェーン店が中心になりがちですが、Kountry Style Kitchenはその中で輝く「本当にローカルに愛されるダイナー」。観光客向けではなく、あくまで地域の人々の日常に寄り添うお店だからこそ、“隠れ名店”と呼ぶのにふさわしいのです。

まとめ

Kountry Style Kitchenは、エヴァビーチの住宅街にひっそりと佇む穴場的な存在。カウアイ本店から受け継いだ伝統の味、圧巻のボリュームメニュー、スタッフおすすめの人気料理、そしてライターが惚れ込んだPatty Melt。どれもがローカルの日常に根ざし、長年愛されてきた理由を物語っています。

まだ訪れたことのない方は、ぜひ足を運んでみてください。いずれのメニューも他にはない味できっと新しいお気に入りになるはずです。

ABOUT WRITER
Miki Cabatbat

フリーランスライター&ポッドキャスター。ハワイ在住歴12年。東京のラジオ局勤務時に、ハワイから特番を放送したのがきっかけでハワイ好きに。2010年に意を決してハワイ留学をし、その後結婚し定住。2004年からはフリーランスライターとしても活動を始め、さまざまな雑誌/書籍/Web等で執筆。

Podcast 「ハワイの主婦発信★海外生活リアルRadio」配信。2021年11月 Kindle本「アフターコロナの海外留学 : ハワイ生活案内」をリリース。