ファンが待っていた、カイムキに再オープンした人気レストラン2軒

カイムキは、ハワイの中でも「グルメの街」として知られるエリア。気取らないローカルタウンでありながら、食の選択肢は驚くほど多彩です。

そのカイムキに、昨年あらためて注目を集めるレストランが2軒オープンしました。どちらも新顔というわけではありません。ひとつは、カカアコのフードトラックからスタートし、カイムキでも親しまれてきたハンバーガーショップが、装い新たに戻ってきた Boarded Up by Chubbies Burgers 。もうひとつは、チャイナタウンで確かな存在感を築いてきた 人気店、The Pig and the Lady が、新天地としてカイムキを選んだケースです。

出発点も歩んできた道も異なる2軒ですが、共通しているのは、カイムキという街の空気に自然と溶け込んでいることです。素材に向き合う誠実さ、肩肘張らずに楽しめる距離感、そして「また来たい」と思わせる居心地の良さ。こうした要素が重なり合い、グルメの街・カイムキは、今日もローカルたちの食卓を支えています。

今回は、そんなカイムキで再び、あるいは新たに根を下ろした2軒のレストランを通して、この街の“今”の魅力に追ってみたいと思います。

Boarded Up by Chubbies Burgers:自分が食べたいものがないから作っちゃった!こだわり食材のグルメバーガー

イエローカラーが目印のBoarded Up by Chubbies Burgers

Boarded Up by Chubbies Burgers は、2016年にワードエリアのフードトラックとしてスタートしたバーガーショップ。当時のオアフ島では、クラシックなスタイルのバーガーを、素材にこだわって提供する店はまだ多くありませんでした。オーナーのJeff Nedryさんは、「自分が本当に食べたいと思えるバーガーが見つからなかった」という理由から、「では自分で作るしかない!」と、この店を立ち上げたそうです。

カカアコ、そしてカイムキへと拠点を移しながら進化を重ね、現在のロケーションには2025年6月にオープンしました。今回の再スタートは、Chubbies Burgers の姉妹コンセプトとしての位置づけでもあり、核となる価値観や素材へのこだわりはそのままに、レシピや見せ方をアップデートした「Boarded Up」という新しい表現が取り入れられています。

遊び心のあるChubbiesのポップなアート

店内でまず印象に残るのが、ポップなウォールアート。アーティストの Jesse Velasquez さんによるもので、カジュアルな遊び心のあるセンスがカイムキという街にしっくり馴染みます。食事の時間そのものを楽しませてくれる雰囲気が、この店らしさのひとつです。同じテーマでデザインされたオリジナルTシャツもキュートですよ。

デザインがクールなオリジナルTシャツはお土産にもおすすめ

バーガーは、Carolina Onion、The 1950、O.P. Style、Cheeseburgerの4種類。Jeffさんが自分で食べたいものを作ったというだけあって、素材への強いこだわりが見られます。まず、バンズは自家製の柔らかいポテトバンズ。そしてパティにはCreekstone Farms のビーフが使われています。きめ細かい肉質と安定した品質で知られるこのお肉を、スマッシュして焼き上げることで旨みが引き立って美味しくなるのです。そして、ピクルスも自家製。やさしい酸味でちょうど良いアクセントになっています。さらに、バーガーのお供に欠かせないフライドポテトは、トランス脂肪酸フリーのライスブランオイルで揚げてあります。これなら美容や健康を気にする人でも安心して食べられますね。

素材にこだわり抜いたバーガー&フライは抜群の味

今回は、Carolina Onion Burger に加え、プレーンなFries、Spicy Garlic Fries、Strawberry Guava Milk Shake、そして3種類のオリジナルソースを試しました!

まず、Carolina Onion Burger は、オリジナルのディジョネーズソースのほのかなマスタード風味が絶妙に効いています! そして、スマッシュして焼いたパティはカリッとしていて、キャラメライズした玉ねぎの甘みとピクルスと見事なハーモニーに。Friesは太めのクリンクルカットで、とてもカリッとしています。Spicy Garlic Fries は、ガーリックの効いたアイオリソースの風味が印象的で、おつまみ感覚でいけちゃいます。オリジナルソースは、プレーンフライをディップして食べても美味しいし、バーガーにより風味を増したい時に使ってもGood!プレミアムなカスタードソフトを使ったシェイクは、とても濃厚な味わいで、ストロベリーとグアバが主張しすぎないちょうどよい風味でした。

レモネードはストロベリーリリコイ、カラマンシ、グアバマンダリンの3種

今回は試せませんでしたが、同じハイクオリティなミルクを使ったソフトクリームや、3種類ある自家製レモネードも気になるところです。スタッフたちも皆フレンドリーで、気軽に足を運びたくなる親しみ感と食材への確かな信頼感を兼ね備えているのが魅力だと感じました。

The Pig and the Lady:グルメ通が足を運ぶ、フレンチとベトナミーズの洗練された融合

ハワイのレストラン業界で最も権威ある賞のひとつ、ハレアイナ賞で「ベスト・オアフレストラン賞」に2度も選ばれたことのある The Pig and the Lady。2011年、ファーマーズマーケットでデビューしてから、その感性と美味しさで瞬く間にファンを増やし、チャイナタウンに実店舗を構えてからは、誰もが知るハワイ屈指の人気ベトナムフュージョン料理店へと成長しました。

その The Pig and the Lady が、2025年8月にチャイナタウンの店舗をクローズし、約2か月のブランクを経て、同年10月、新天地カイムキにて待望のオープンを果たしました。グルメの街として知られるカイムキへの移転は、多くのファンにとっても大きなニュースとなりました。

キャパシティも増えた新店舗でも、店内はいつもお客様で賑わっている

オーナーシェフの Andrew Le 氏にとって、カイムキは特別な思いを秘めた場所です。というのも、Le 氏がまだ若い頃、お父さんがこのカイムキでゲームショップを営んでいたという家族の歴史があるから。「いつか思い出の地であるカイムキでお店をやりたい」。そんな思いは、Le 氏自身だけでなく、ゼネラルマネージャーを務める兄の Alex さんの中にも、長くあり続けたそうです。

新店舗のテラス席。場所はKoko Head Ave.とWaialae Ave.の角にあるCivil Beat Plazaの中

「チャイナタウンも大変気に入っていましたが、店舗のリース契約のタイミングや、さまざまな要因が重なり、今がその時だと感じてカイムキへの移転を決めました」と Le 氏は語ります。

ちなみに、The Pig and the Lady というユニークな店名は、イノシシ年(英語では Year of the Pig)生まれの Le 氏自身がPigで、Lady はお母さんを指しているそう。ベトナムの家庭料理の味を教えてくれたお母さんへの敬意が、この店名には込められているのです。

同店の料理には、確かにお母さんから受け継いだ家庭料理のエッセンスが息づいていますが、Le 氏の料理はその枠をはるかに超えています。世界最高峰の料理学校のひとつとされる Culinary Institute of America(CIA)ニューヨーク校を卒業後、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌの先駆け的存在である Chef Mavro のもとで長年腕を磨いてきました。そうした確かな技術に、Le 氏ならではの卓越したクリエイティビティが重なり合っていると感じます。

筆者が Le 氏の料理を初めて口にしたのは、ハワイの日本酒イベント、Joy of Sakeでした。このイベントでは、日本酒に合わせた料理を人気シェフたちが創作しますが、同店の一皿を口にした瞬間、「何これ?美味しい!」と、驚きと歓喜が同時に湧き上がった感覚を、今でもはっきりと覚えています。

前菜トリオ:左からWinter Vegetable Goi Cuon、Banh Duc Nong、Big Eye Ahi Tataki Toast

今回は、そんな Le 氏の創作料理を、新店舗のメニューの中からいくつかテイスティングしてみました。

まずはアペタイザーから、Winter Vegetable Goi Cuon、Big Eye Ahi Tataki Toast、Banh Duc Nong の3品です。Winter Vegetable Goi Cuon と Ahi Tataki Toast は、さまざまな食感とフレーバーの組み合わせが印象的でしたが、個人的に特に心に残ったのは Banh Duc Nong というスープでした。具のお団子のもちもちとした食感と甘くてやさしい味わい、そこに添えられたミントのアクセント。その組み合わせがとても新鮮で、記憶に残る一皿でした。

ベジタリアンメニューのChestnut & Mushroom Pate

続いていただいたのは、Chestnut & Mushroom Pate。椎茸の香りが豊かなパテを、ミニサイズのマドレーヌにつけていただきます。パテは風味が非常に濃厚で、マドレーヌのほんのりとした甘みと合わさることで、口の中に見事なハーモニーが広がります。今回のテイスティングの中では、個人的に最も印象的な一品でした。

今回試食したPho 75(写真左)はミニサイズで、お店で実際にサーブされるのはより大きなフルサイズ。ベトナム風サンド、Pho French dip(写真右)はランチ限定メニュー

締めには、Pho 75 と Pho French dipをいただきました。Pho 75はランチとディナー共通の大人気メニューで、スープは風味豊かで、チリがかすかにピリッとしたアクセントとして効いています。上にのったお肉も驚くほど柔らかです。ランチ限定の Pho French dipも、12時間ローストしたビーフがしっとりと仕上がっており、シャキッとした野菜や隠し味のソースとともに、口の中で見事な一体感を楽しめました。

今回テイスティングしたのは以上ですが、レモングラス風味のボロネーゼパスタ、オリジナルソースで評判の高いチキンウィング、ドルセ・デ・レチェとココナッツ・ブラックセサミのコンビネーションが味わえるソフトクリームなど、他ではなかなか味わえないユニークなメニューが揃っています。次回はまた違った料理を試してみたいと思わせられるラインナップです。

最後に、Le 氏に独創力の源について尋ねてみました。「まずは、それぞれの素材をよく理解すること」。そして、似た効果を持つ別の食材を探し、それらを組み合わせ直すことで、新しい料理を生み出していくのだそうです。もうひとつ大切にしているのは、「日常生活の中のあらゆることに注意を払うこと」。何気ない出来事からもインスピレーションを受け、それを、料理を通してストーリーとして表現していると語ってくれました。

その言葉どおり、Le 氏の料理は、職人技とアートが美しく融合した存在だと感じました。

グルメの街・カイムキが持つ「引き寄せる力」

復活オープンの場にカイムキを選んだローカルが注目するレストラン2軒。

スタイルもジャンルも異なる2軒ですが、どちらもカイムキという街に自然と溶け込み、ローカルの食卓を支えている存在です。ハンバーガーとベトナミーズという対照的な料理を並べてみることで、カイムキの懐の深さが、よりはっきりと見えてきます。

カイムキがグルメの街と呼ばれる理由は、特定のジャンルが強いからではありません。素材に向き合う姿勢や、肩肘張らずに楽しめる空気感、そして何度でも足を運びたくなる距離感。そうした要素を大切にする店が集まっていることが、この街の魅力につながっています。

観光の途中で立ち寄るだけではなく、「何を食べようか」と考える時間も含めて楽しみたいエリア、カイムキ。今回紹介した2軒で、その魅力を実感してみてください。

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デコスタなおこ

美的ブランディング戦略コーチ。起業家向けに“自然にお客様を引き寄せる”ブランド作りをサポート。短時間のヒアリングから言葉とデザインで的確に世界観を表現するランディングページ、SNS魅せ方コンサル、ライブ配信サポート等のサービスを提供。

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